独占愛~冷酷御曹司の甘い誘惑
「え、瑛さん? ソファに座って」
予想外の体勢に、慌てて声をかけると、彼はゆっくりと首を横に振った。
「いや、彩萌の顔を正面から見てきちんと話したい。目を離すとまたどこかにいなくなりそうで嫌だ」
彼らしくない弱音と主張に、戸惑う。
同時に、彼が本気で自分の心の奥底までを見せようとしている気がした。
だって、今までこんな言い方をされた記憶がない。
いつも冷静沈着で自信に満ちていて、隙ひとつなく完璧だったのに。
握られた手から伝わる温もりが愛しくて、胸が痛い。
「……俺は以前、お前に会うため、職場を訪問したんだ」
「職場って……蔦製菓?」
「ああ」
唐突に始まった会話を訝しみながらも問いかける。
「これからの話の内容に、不愉快になると思う。そのときは遠慮なく怒ってくれ。もちろん疑問点があれば、その都度聞いてほしい」
真剣な眼差しを向けられ、首を縦にふると、彼は安心したように話し出した。
朝霞さんの夢を応援するため婚約破棄は以前から考えていたこと、朝霞さんが、実家に内緒で製菓の道を歩んでいた件などを改めて詳しく説明された。
予想外の体勢に、慌てて声をかけると、彼はゆっくりと首を横に振った。
「いや、彩萌の顔を正面から見てきちんと話したい。目を離すとまたどこかにいなくなりそうで嫌だ」
彼らしくない弱音と主張に、戸惑う。
同時に、彼が本気で自分の心の奥底までを見せようとしている気がした。
だって、今までこんな言い方をされた記憶がない。
いつも冷静沈着で自信に満ちていて、隙ひとつなく完璧だったのに。
握られた手から伝わる温もりが愛しくて、胸が痛い。
「……俺は以前、お前に会うため、職場を訪問したんだ」
「職場って……蔦製菓?」
「ああ」
唐突に始まった会話を訝しみながらも問いかける。
「これからの話の内容に、不愉快になると思う。そのときは遠慮なく怒ってくれ。もちろん疑問点があれば、その都度聞いてほしい」
真剣な眼差しを向けられ、首を縦にふると、彼は安心したように話し出した。
朝霞さんの夢を応援するため婚約破棄は以前から考えていたこと、朝霞さんが、実家に内緒で製菓の道を歩んでいた件などを改めて詳しく説明された。