独占愛~冷酷御曹司の甘い誘惑
思いがけない台詞に耳を疑う間もなく、首筋にキスが落とされた。

軽く甘噛みされ、さらに吐息が触れて肩がピクリと跳ねる。

瑛さんに借りた服はサイズが大きく、胸元が広く開いている。

鎖骨に骨ばった指が這わされ、彼の艶やかな髪が触れる。

同時にチクリと小さな痛みがはしる。



「な……に……?」



甘く痺れる感覚の中で声を漏らすと、彼がニッと口角を上げた。



「俺の花嫁の印だ」



どういう、意味?



答えを理解しようと頭を巡らせている間に上着が脱がされる。

下着姿がさらされ、頬に熱が集まる。

ブラインドの隙間から差し込む朝の光で、部屋はほのかに明るい。



「抱き上げたときも思ったが……細いな」



長い人差し指が、私の胸の谷間からおへそまでをスッとたどる。

もう片方の手は私の腰をゆっくりと撫でる。

ただ触れられているだけなのに、肌がカッと熱をもつ。

胸を隠そうとすると、大きな手が邪魔をする。

体を反転され、背中に幾つものキスが落とされる。

柔らかな唇の感触に声が漏れそうになる。

下着が外され、胸の圧迫感がなくなると同時に大きな手が背中から回る。

むき出しの胸に触れるシーツの冷たさと、彼の手の温もりに翻弄されて涙が滲む。

無意識に腰が浮いてしまう。



「んっ……あ」



どうしてもこぼれ落ちる声を我慢しようと、唇を噛む。

瞬時に体を仰向けにされ、嚙みつくような口づけが降ってきた。
< 41 / 174 >

この作品をシェア

pagetop