独占愛~冷酷御曹司の甘い誘惑
その後も、立て続けに何度も抱かれた。

途中から意識は朧気で、もしかしたら半分眠っていたのかもしれない。

頭を撫でられているような優しい感覚に目を開けると、眼前に瑛さんの整った面差しがあった。



「な……なんで……!」



驚きで出した声が掠れている。

持ち上げた腕に衣類を纏っていない現状に、昨夜の記憶が鮮明によみがえって頬が一気に熱を持った。

さらには目の前の瑛さんのむき出しの胸元が視界に入り、落ち着かない。

動揺しすぎて、視界がぼんやりと歪む。



「……悪い、無理をさせた」



骨ばった指が私の喉にそっと触れる。

 

「んっ……」



散々触れられて敏感になった体が、些細な接触に過剰に反応して声が漏れた。

バッと口を手で覆い、うつむく。



恥ずかしい……!



今までこんな状況に陥った経験はなく、どうしていいかわからない。



「……本当に……抱き潰したくなるな」



物騒な台詞とともに、はあ、と熱い息が耳元近くで聞こえ、肩がピクリと跳ねる。



「病み上がりの人間に、これ以上無理はさせられないからな。待ってろ、水を取ってくる」



そう言って、瑛さんはベッドから起き上がる。

惜しげもなくさらされた引き締まった体に視線を奪われる。

長い足でベッドから降り、周辺に散らばった衣類を手に取る動作はとても落ち着いている。
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