独占愛~冷酷御曹司の甘い誘惑
「ち、違うの。体は元気なんだけど、その、赤ちゃんを授かって……」
『……え……?』
途端に静かになった通話に、もしや切れたのかと訝しむ。
『……妊娠、しているのか……?』
恐る恐る、確認するかのような問いかけに、スマートフォンを握る指に力が入る。
「そう、なの。ホテルから帰ってきて検査薬で判明したから、病院に診察にきたの」
答える声がどうしても震えて、早口になる。
もっと上手な伝え方があったはずなのに、なんて無茶苦茶な言い回しとタイミングなんだろう。
どうしよう、なんて言われる?
お願いだから、困らないで。
無意識に、唇を噛みしめてしまう。
『なんで……』
「え?」
『なんで、すぐ連絡しないんだ! そんな大事な体で出歩いたら危ないだろ!』
「瑛、さん?」
『今、どこだ? 違う、どの病院だ? 三番目って言ってたよな? なにか説明があるんだろ? 俺も聞きたいから、先生に同席を頼んで』
早口でまくし立てられ、思わず瞬きを繰り返す。
問われるがままに、たどたどしく病院名を告げると慌ただしい音が聞こえた。
『気分は悪くないか? なにか必要なものは? いや、違うな。なにより……彩萌、ありがとう。本当に嬉しい』
ゆっくりと伝えられた言葉に、胸がいっぱいになった。
熱い気持ちがこみ上げて、視界が滲む。
「喜んで、くれるの?」
『当たり前だろ! 大切な妻が妊娠して、嬉しくないわけがない』
大切な妻、という表現に胸がくすぐったくなる。
妊娠を知った彼の反応が嬉しすぎて、心の戒めが綻ぶ。
『……え……?』
途端に静かになった通話に、もしや切れたのかと訝しむ。
『……妊娠、しているのか……?』
恐る恐る、確認するかのような問いかけに、スマートフォンを握る指に力が入る。
「そう、なの。ホテルから帰ってきて検査薬で判明したから、病院に診察にきたの」
答える声がどうしても震えて、早口になる。
もっと上手な伝え方があったはずなのに、なんて無茶苦茶な言い回しとタイミングなんだろう。
どうしよう、なんて言われる?
お願いだから、困らないで。
無意識に、唇を噛みしめてしまう。
『なんで……』
「え?」
『なんで、すぐ連絡しないんだ! そんな大事な体で出歩いたら危ないだろ!』
「瑛、さん?」
『今、どこだ? 違う、どの病院だ? 三番目って言ってたよな? なにか説明があるんだろ? 俺も聞きたいから、先生に同席を頼んで』
早口でまくし立てられ、思わず瞬きを繰り返す。
問われるがままに、たどたどしく病院名を告げると慌ただしい音が聞こえた。
『気分は悪くないか? なにか必要なものは? いや、違うな。なにより……彩萌、ありがとう。本当に嬉しい』
ゆっくりと伝えられた言葉に、胸がいっぱいになった。
熱い気持ちがこみ上げて、視界が滲む。
「喜んで、くれるの?」
『当たり前だろ! 大切な妻が妊娠して、嬉しくないわけがない』
大切な妻、という表現に胸がくすぐったくなる。
妊娠を知った彼の反応が嬉しすぎて、心の戒めが綻ぶ。