【砂の城】インド未来幻想
人の気配に気付いたのだろう、リスが急に立ち止まり、愛らしい瞳を向けた。が、合わされた視線にナーギニーの大きな瞳は、困ったように瞬いてしまう。何を食べるのだろう? 夕食の残りに何か分け与えられる物があっただろうか? そう考えを巡らし脳裏に記憶を浮かべてみたが、途端昨夜と同じく二度のノックが聞こえ、リスはあっという間に壁を伝って逃げてしまった。
「あ……」
驚きと残念な気持ちが声を洩らさせたが、少女は我に返り、慌てて部屋に戻るや応答した。
昨日と同様二人の女性が入室し、今度は朝食を整える。再度昼食会についての予定を述べたが、今回はそれと共に会食の為の衣装を手渡した。
「ありがとう、ございます……」
少し遠慮がちなお礼と表情で受け取ったのは、淡いオレンジ色のサリーであった。皇かな絹の地に同色の繊細な刺繍が施されている。この色を与えられたのは、夕陽の如く舞い踊るナーギニーに、シャニが見惚れた所為かもしれない。
「あ……」
驚きと残念な気持ちが声を洩らさせたが、少女は我に返り、慌てて部屋に戻るや応答した。
昨日と同様二人の女性が入室し、今度は朝食を整える。再度昼食会についての予定を述べたが、今回はそれと共に会食の為の衣装を手渡した。
「ありがとう、ございます……」
少し遠慮がちなお礼と表情で受け取ったのは、淡いオレンジ色のサリーであった。皇かな絹の地に同色の繊細な刺繍が施されている。この色を与えられたのは、夕陽の如く舞い踊るナーギニーに、シャニが見惚れた所為かもしれない。