【砂の城】インド未来幻想
ところどころに青いタイルが用いられて、神秘的な幾何学模様が描かれていた。そのような白地に青のドームの下、空間を左右に分かつ長いテーブルの先には――『王』が居た。
「全員揃ったようだね」
ずっと向こうでありながら、耳奥に直接響く低い声。シャニは組んだ両手指の上から、真っ直ぐ前方に現れたナーギニーを、嬉しそうに見つめていた。少女は一瞬捕らえられたように全身が硬直したが、案内の女性に連れられて、シャニから一席を空けられた左手長手の席へ着いた。
「美しきお嬢様方、長く困難な旅を良くぞ制覇し辿り着かれた。本日より六日間、どうぞごゆるりと我が地をご堪能あれ」
静まり返った室内を、再びの低音が否応なく支配する。と共に掲げられた祝杯に視線は集められ、全ての少女達は魔法に掛けられたかのように手元のグラスを持ち上げていた。
「お嬢様方に多くの幸いが降り注がれんことを」
乾杯の言葉を発したシャニの分厚い唇に、見る見るうちに吸い込まれていく紅い液体。対して少女達に与えられた琥珀色の液体は、甘く芳醇な香りを漂わせ、艶やかで華のある唇を潤した。
「全員揃ったようだね」
ずっと向こうでありながら、耳奥に直接響く低い声。シャニは組んだ両手指の上から、真っ直ぐ前方に現れたナーギニーを、嬉しそうに見つめていた。少女は一瞬捕らえられたように全身が硬直したが、案内の女性に連れられて、シャニから一席を空けられた左手長手の席へ着いた。
「美しきお嬢様方、長く困難な旅を良くぞ制覇し辿り着かれた。本日より六日間、どうぞごゆるりと我が地をご堪能あれ」
静まり返った室内を、再びの低音が否応なく支配する。と共に掲げられた祝杯に視線は集められ、全ての少女達は魔法に掛けられたかのように手元のグラスを持ち上げていた。
「お嬢様方に多くの幸いが降り注がれんことを」
乾杯の言葉を発したシャニの分厚い唇に、見る見るうちに吸い込まれていく紅い液体。対して少女達に与えられた琥珀色の液体は、甘く芳醇な香りを漂わせ、艶やかで華のある唇を潤した。