【砂の城】インド未来幻想
「イシャーナ、良く見なさい。これほど愛らしい女性達が、集う光景はなかなかあるまい」
シャニは機嫌を宜しくしたのか、満足の笑みを湛えて息子に自慢をした。途端向けられた褒め言葉に、姿勢を正した少女達の表情は誇らしかった。
「はい。このような場に同席させていただいたことを光栄に思います」
反面イシャーナの声には僅かに戸惑いの兆しが見えた。普段はこういった席に招かれていないのかもしれない。
「彼女達は皆、厳しい旅を制した幸運の持ち主だ。お嬢様方も気付かれたかな? 数席空きがあるだろう……それは辿り着けなかった不運な姫君の分なのだよ。それに比べて此処に坐した各々方は……つまり運をも味方につける女神のような存在といえる」
シャニは不敵に微笑み、あの祝杯と同じ紅い液体を呑み干した。
確かにナーギニーとシャニの間の一席の他にも、ちらほらと埋められていない席が目立つ。少女達はそれらをキョロキョロと見回しながら、更なる誇りを我が身に感じた。――しかし。
シャニは機嫌を宜しくしたのか、満足の笑みを湛えて息子に自慢をした。途端向けられた褒め言葉に、姿勢を正した少女達の表情は誇らしかった。
「はい。このような場に同席させていただいたことを光栄に思います」
反面イシャーナの声には僅かに戸惑いの兆しが見えた。普段はこういった席に招かれていないのかもしれない。
「彼女達は皆、厳しい旅を制した幸運の持ち主だ。お嬢様方も気付かれたかな? 数席空きがあるだろう……それは辿り着けなかった不運な姫君の分なのだよ。それに比べて此処に坐した各々方は……つまり運をも味方につける女神のような存在といえる」
シャニは不敵に微笑み、あの祝杯と同じ紅い液体を呑み干した。
確かにナーギニーとシャニの間の一席の他にも、ちらほらと埋められていない席が目立つ。少女達はそれらをキョロキョロと見回しながら、更なる誇りを我が身に感じた。――しかし。