【砂の城】インド未来幻想
「おお、恐ろしい目に遭われたのだね、ナーギニー。シュリーには残念なことをしたが、君が救われたのはやはり強運を身に秘めているからだ……が、その傷ついた心を慰めて差し上げたい」
大袈裟に抑揚をつけたシャニの台詞は、一瞬彼女を萎縮させた。その言葉にはシュリーへの謝罪も憐みもなく、ただナーギニーを取り込む為だけに利用されたに思えた。極力シャニの姿を視界から遠ざけたが、衝撃で強張った眼の端に暗い影が貼り付いた。
「伴に旅した仲間を想う姫とは何と麗しいものか。イシャーナ、そう思うだろう?」
「はい……」
突然投げられた同意に、消極的な応えを返すイシャーナ。
「……お前ももう二十を越えた。そろそろ伴侶を選びたいのではないかと思うてな……この宴へ呼んだのだ。此処にお前の心を射止めた女性が居るのならば、私の姫となる女性と同等の待遇を与えてやろう……言ってみるがいい」
「……」
大袈裟に抑揚をつけたシャニの台詞は、一瞬彼女を萎縮させた。その言葉にはシュリーへの謝罪も憐みもなく、ただナーギニーを取り込む為だけに利用されたに思えた。極力シャニの姿を視界から遠ざけたが、衝撃で強張った眼の端に暗い影が貼り付いた。
「伴に旅した仲間を想う姫とは何と麗しいものか。イシャーナ、そう思うだろう?」
「はい……」
突然投げられた同意に、消極的な応えを返すイシャーナ。
「……お前ももう二十を越えた。そろそろ伴侶を選びたいのではないかと思うてな……この宴へ呼んだのだ。此処にお前の心を射止めた女性が居るのならば、私の姫となる女性と同等の待遇を与えてやろう……言ってみるがいい」
「……」