【砂の城】インド未来幻想
「あの……イシャーナ様」
初めて掛けられた少女からの声に、それを運ぶナーガラージャの瞳が震えた。
『うん。何か、質問でも?』
イシャーナも微かに驚いたようだった。
「はい……私を迎えにいらした使いの方々は、長い銃を持っていらっしゃいました。あの銃から金色の光のような物が出てくることはありますか?」
『金色?』
それからしばし音のない時間が流れ、やがて応答が帰ってきた。
『いや……何度かあの銃を使う場面は見た記憶があるけど、普通の弾丸であって、そんな光が現れたことは……。それは君がそのような光を目撃したということ、なんだね? 従者は何に発砲したんだい?』
「い、いえ……」
シュリーが消えた直前に辺りを包み込んだ金色の閃光。けれど「ドールに襲われてしまった」と偽りを告げたイシャーナに、事の真相を明かすことは出来なかった。何より秘密にするとシュリーに約束してしまっている。あの光は銃が発した物でないという確証は得られたが、と同時にイシャーナを納得させることの出来る説明は、何一つ浮かび上がってこなかった。
初めて掛けられた少女からの声に、それを運ぶナーガラージャの瞳が震えた。
『うん。何か、質問でも?』
イシャーナも微かに驚いたようだった。
「はい……私を迎えにいらした使いの方々は、長い銃を持っていらっしゃいました。あの銃から金色の光のような物が出てくることはありますか?」
『金色?』
それからしばし音のない時間が流れ、やがて応答が帰ってきた。
『いや……何度かあの銃を使う場面は見た記憶があるけど、普通の弾丸であって、そんな光が現れたことは……。それは君がそのような光を目撃したということ、なんだね? 従者は何に発砲したんだい?』
「い、いえ……」
シュリーが消えた直前に辺りを包み込んだ金色の閃光。けれど「ドールに襲われてしまった」と偽りを告げたイシャーナに、事の真相を明かすことは出来なかった。何より秘密にするとシュリーに約束してしまっている。あの光は銃が発した物でないという確証は得られたが、と同時にイシャーナを納得させることの出来る説明は、何一つ浮かび上がってこなかった。