【砂の城】インド未来幻想
「そう、それはどちらも興味深い。明後日の最終日は白宮の広間にて、再びの舞踊大会とさせてもらおうか。そうだ……午後は皆に舞踊衣装を仕立ててあげよう」
全員が歓声を上げ、沢山の拍手が鳴り響いた。今回集められた娘達はナーギニーの地域に限らず、州ごとに行なわれた舞踊大会にて数多から選ばれた面々なのだ。これこそが王への最後のアピールになるに違いない。その思惑に少女達の心は色めき立った。
「実は午後の自由時間や夕食の後には、必ず数名のお嬢様方が私の部屋を訪れてくれていてね……本音を言えば、君にも来てほしいと願っていた」
再び始められた食事の最中、今一度発せられたシャニの言葉は、視界の左右の二人の耳に、否応なく吸い込まれた。
「だが、君が自分の手習いに身を尽くしていたとなれば、そのワガママを強いずに済ませて良かったというものだ……私はてっきり夜空の星を見上げて、私でない誰かに恋焦がれているのかと……嫉妬の炎を燃やしかねずにいたものだからね……」
ゆっくりとゆっくりと、傾けた眼の端に入った王の唇は――全てを見通したような淡い微笑を湛えながら、再び紅い液体を呑み干していた――。
全員が歓声を上げ、沢山の拍手が鳴り響いた。今回集められた娘達はナーギニーの地域に限らず、州ごとに行なわれた舞踊大会にて数多から選ばれた面々なのだ。これこそが王への最後のアピールになるに違いない。その思惑に少女達の心は色めき立った。
「実は午後の自由時間や夕食の後には、必ず数名のお嬢様方が私の部屋を訪れてくれていてね……本音を言えば、君にも来てほしいと願っていた」
再び始められた食事の最中、今一度発せられたシャニの言葉は、視界の左右の二人の耳に、否応なく吸い込まれた。
「だが、君が自分の手習いに身を尽くしていたとなれば、そのワガママを強いずに済ませて良かったというものだ……私はてっきり夜空の星を見上げて、私でない誰かに恋焦がれているのかと……嫉妬の炎を燃やしかねずにいたものだからね……」
ゆっくりとゆっくりと、傾けた眼の端に入った王の唇は――全てを見通したような淡い微笑を湛えながら、再び紅い液体を呑み干していた――。