【砂の城】インド未来幻想
翌日は正午には昼食を終え、午後早々に白宮大広間に集められた。二十九州中、無事にこの地へ辿り着いたのは計二十二名。一人十分の時間を戴いても、四時間に及ぶ大会となる。広間の正面に置かれた玉座にシャニ、その隣に普段はこの宮殿を訪れることのない王妃の玉座が並べられたが、彼女はアグラの街に現れた時と同様、黒いヴェールに覆い尽くされ、その表情すら判別は出来なかった。
更に王の逆隣にはイシャーナの為の席が設けられた。二人の玉座に比べたら貴さには欠けるが、自身の装いは立派に王子であることを知らしめる涼やかな気品に満ち溢れていた。
広間を囲うように並ぶ円柱の間には、家臣や侍女達が所狭しと立ち並んでいる。舞い踊る少女達に与えられた席から、その様子が良く窺えた。ナーギニーは入口から三番目の柱の陰に、シュリーの姿と自分に向けられた視線を見つけた。僅かに微笑んだ少女の表情に、シュリーはこっそりウィンクを投げた。
更に王の逆隣にはイシャーナの為の席が設けられた。二人の玉座に比べたら貴さには欠けるが、自身の装いは立派に王子であることを知らしめる涼やかな気品に満ち溢れていた。
広間を囲うように並ぶ円柱の間には、家臣や侍女達が所狭しと立ち並んでいる。舞い踊る少女達に与えられた席から、その様子が良く窺えた。ナーギニーは入口から三番目の柱の陰に、シュリーの姿と自分に向けられた視線を見つけた。僅かに微笑んだ少女の表情に、シュリーはこっそりウィンクを投げた。