【砂の城】インド未来幻想
[脅迫]
「貴女は……残念ながら私ではなく、我が息子に好意を持っている……」
シャニはゆっくりと呟き、それから撫でる手を止めた。
「い、いいえ……そのようなことは決して」
包み込まれたままのか弱き手は、まるで人質に取られた幼な子のようだ。即座に否定はしたが、王の真実を確かめるような面差しには、瞳を合わせることは出来なかった。
「貴女はお優しい。私を傷つけまいと必死なのですね? どうぞお構いなく……イシャーナが若く美しく、誠実であることは私にも分かります。貴女が惹かれるのも致し方ありますまい」
「……」
ナーギニーはどういう表情をして良いのか分からず、深く俯いて押し黙ってしまった。依然右手は胸元の高さで、シャニの両手に囚われている。
シャニはゆっくりと呟き、それから撫でる手を止めた。
「い、いいえ……そのようなことは決して」
包み込まれたままのか弱き手は、まるで人質に取られた幼な子のようだ。即座に否定はしたが、王の真実を確かめるような面差しには、瞳を合わせることは出来なかった。
「貴女はお優しい。私を傷つけまいと必死なのですね? どうぞお構いなく……イシャーナが若く美しく、誠実であることは私にも分かります。貴女が惹かれるのも致し方ありますまい」
「……」
ナーギニーはどういう表情をして良いのか分からず、深く俯いて押し黙ってしまった。依然右手は胸元の高さで、シャニの両手に囚われている。