【砂の城】インド未来幻想
「ナーギニー、明日……私の指名を受け入れてくださいますね?」
今一度同じ文言で囁かれる問い。けれどせめて明日までは、心だけは奪われたくない――ナーギニーは答えを急ぐ王に、正式な返事は避けようとした。
「どうか明日、シャニ様がお言葉を発するその時まで、私の返答はお待ちくださいませ。今こうして私を気に入ってくださっているとしましても、一夜を過ぎればシャニ様のお心も変わられるかもしれません」
「私の気持ちはきっと同じだと思いますが」
苦笑いをしながらも、シャニは今この時点での求めはこれ以上しなかった。が、なかなかその手を放す様子はない。少女の困惑が唇を震わせ始めた。恐る恐る指先を引き戻そうとしたが、王の手は更に伸ばされ、か細い手首を握り締めた。
「では、明日への希望を私に与えてください。この滑らかな貴女の手の甲に、どうか口づけを捧げるお許しを」
そう言ってひとたび清らかな肌を一撫でする。これ以上王の望みをはぐらかせないと諦めたナーギニーは、さすがにその願いを受け入れた。
今一度同じ文言で囁かれる問い。けれどせめて明日までは、心だけは奪われたくない――ナーギニーは答えを急ぐ王に、正式な返事は避けようとした。
「どうか明日、シャニ様がお言葉を発するその時まで、私の返答はお待ちくださいませ。今こうして私を気に入ってくださっているとしましても、一夜を過ぎればシャニ様のお心も変わられるかもしれません」
「私の気持ちはきっと同じだと思いますが」
苦笑いをしながらも、シャニは今この時点での求めはこれ以上しなかった。が、なかなかその手を放す様子はない。少女の困惑が唇を震わせ始めた。恐る恐る指先を引き戻そうとしたが、王の手は更に伸ばされ、か細い手首を握り締めた。
「では、明日への希望を私に与えてください。この滑らかな貴女の手の甲に、どうか口づけを捧げるお許しを」
そう言ってひとたび清らかな肌を一撫でする。これ以上王の望みをはぐらかせないと諦めたナーギニーは、さすがにその願いを受け入れた。