【砂の城】インド未来幻想
「うっ……あ……はぐっ――!」
二つの淀んだ琥珀色の光が、ナーギニーの双眸から無理矢理侵入する。それは先程の電流のように全身を流れ、彼女の感情・意識・思考を『記憶』の湧き上がってきた奥底へ閉じ込めてしまった。
「これで『貴女様』も……ついに我が国の一員です」
シャニはもう一度ニィと嗤い、まるで人形のように動かなくなったナーギニーの頬に触れた。少女の瞳は淀んだ光に吸い取られてしまったが如く、輝きを持たず生気も失われている。
「ナーギニー、明日……私の指名を受け入れてくださいますね?」
問われる三度目の質問と共に、シャニの唇がナーギニーのそれに寄った。
「わ、私は……シャニ様の……」
――ご指名を、受け入れます。
そう綴られる筈の口元を、まさに奪い取ろうとした瞬間――
二つの淀んだ琥珀色の光が、ナーギニーの双眸から無理矢理侵入する。それは先程の電流のように全身を流れ、彼女の感情・意識・思考を『記憶』の湧き上がってきた奥底へ閉じ込めてしまった。
「これで『貴女様』も……ついに我が国の一員です」
シャニはもう一度ニィと嗤い、まるで人形のように動かなくなったナーギニーの頬に触れた。少女の瞳は淀んだ光に吸い取られてしまったが如く、輝きを持たず生気も失われている。
「ナーギニー、明日……私の指名を受け入れてくださいますね?」
問われる三度目の質問と共に、シャニの唇がナーギニーのそれに寄った。
「わ、私は……シャニ様の……」
――ご指名を、受け入れます。
そう綴られる筈の口元を、まさに奪い取ろうとした瞬間――