【砂の城】インド未来幻想
「おいで……愛しい人」
『光』は依然地に這う少女に優しく呟いた。ついに真後ろまで近付き、彼女の背にしゃがみ込んだ時、ナーギニーはどうにか顔をもたげた。そして振り返るその先には――!
「あ……あっ、う……」
眼を覆う程の眩しさであるのに、ナーギニーにはその『核』が見通せていた。そこから発する温かな光が、抱き締めるように包み込んでくれる。自然と涙が溢れ、口元に笑みが甦った。なのに未だほんの少しばかり残された『毒』が、彼女の唇から言葉をもぎ取っていた。
「ごめん、ナーギニー。僕はずっと自分を非力なのだと思い込んでいた……君がシャニの許で安住の地を得ることが、人生で最良の選択なのだと諦めていた……本当にごめん……でも、これからは僕が君を守るよ――」
切なそうな『光』の眼差しを、ナーギニーの瞳は逸らすことなく瞬くことなく、真っ直ぐに受け止め理解した。ずっと忘れ去られていた記憶の海、その中心で見つめてくれていたこの眼差しを!
『光』の大きな掌が、ナーギニーの小さな両肩に添えられる。その手が柔らかく彼女を立ち上げた。力強い腕に支えられ、少女は『光』を嬉しそうに見上げた。
『光』は依然地に這う少女に優しく呟いた。ついに真後ろまで近付き、彼女の背にしゃがみ込んだ時、ナーギニーはどうにか顔をもたげた。そして振り返るその先には――!
「あ……あっ、う……」
眼を覆う程の眩しさであるのに、ナーギニーにはその『核』が見通せていた。そこから発する温かな光が、抱き締めるように包み込んでくれる。自然と涙が溢れ、口元に笑みが甦った。なのに未だほんの少しばかり残された『毒』が、彼女の唇から言葉をもぎ取っていた。
「ごめん、ナーギニー。僕はずっと自分を非力なのだと思い込んでいた……君がシャニの許で安住の地を得ることが、人生で最良の選択なのだと諦めていた……本当にごめん……でも、これからは僕が君を守るよ――」
切なそうな『光』の眼差しを、ナーギニーの瞳は逸らすことなく瞬くことなく、真っ直ぐに受け止め理解した。ずっと忘れ去られていた記憶の海、その中心で見つめてくれていたこの眼差しを!
『光』の大きな掌が、ナーギニーの小さな両肩に添えられる。その手が柔らかく彼女を立ち上げた。力強い腕に支えられ、少女は『光』を嬉しそうに見上げた。