【砂の城】インド未来幻想
 ――……あの()、これからきっと……奴隷のように働かされるのだわ……そして、私も……。

 ナーギニーは明日の自分をラクシャシニーと呼ばれた少女に重ね、ふと自分の母親の横顔を見上げた。

 彼女の眼は、既に運ばれ少女の居なくなった舞台の中心、地面を均す掃除夫の(もと)、滑らかに輝き出す砂を見つめ冷やかに冴えていた。

 しかし口元だけは、邪魔する者が一人でも減ったことを喜ぶように(かす)かに吊り上がり、それこそ真の羅刹女(ラクシャシニー)に変わっていた――。



◆以降は2015年に(他サイトにて)連載していた際の後書きです。

 いつもお世話様になっております。お付き合い誠に有難うございます!

 第二話[少女]の回で「美女」という言葉のルビを「ラクシャシニー(羅刹女)」にしたのですが、今話で使う為に「美女」の方は「モハーナ(魅了する者)」に変え、こちらで本来の「羅刹(鬼神・人を惑わし食らう魔物)女」として利用させていただきました。

 書きながら更新故、そうした訂正は今後も多々あると思いますが、どうぞご了承くださいませ*

   朧 月夜 拝


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