【辛口ホームドラマ】チャーミー(平成30年台風24号災害)
【エピローグ・壊滅】
(ゴーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!ゴーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!ドザーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!ドザーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!)
午後3時過ぎであった。
台風の中心が室戸岬沖に到達した。
四国地方全域は、風速25メートル以上の暴風域におおわれていたが、午後3時を過ぎたあたりから状況が極力悪化した。
台風24号は、非常に強い勢力で西日本に接近したあと再び猛烈な勢力に変わった。
この時であった。
(ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…)
山方町《やまかたちょう》の方で恐ろしい地鳴りが響いた。
土石流災害が発生する恐れが出たようだ。
水がタプタプ満タンになった浅川は、日吉川と合流する地点で水かさがさらに増えた。
どす黒く濁《にご》った水が馬越二番耕地側へ流れ出した。
(ポロポロポロポロ…)
同時に、水につかった道路の近くにある山から小石が落ちた。
それから2分後…
(ドザー!!)
上の方から大量の土砂が崩れ落ちた。
崩れ落ちた土砂は、水につかった道路へ向かって流れ落ちた。
山方町と高地町のところどころで斜面が崩れ落ちる被害が発生した。
水がタプタプ満タンになった浅川のところどころで越水が発生した。
うんと遠く離れている場所にある蒼社川《そうじゃがわ》が危険な状態におちいった。
うんと上流にある玉川ダムの付近で120ミリに相当する猛烈な雨が降ったことによりきわめて危険な状態になった。
その頃であった。
がんセンターに入院していた志桜里《しおり》が脱走したあと再び今治市にやって来た。
志桜里《しおり》は、今治駅から歩いて北高付近の交差点にやって来た。
志桜里《しおり》は、北高につながる橋の向かい側で信号待ちをしていた。
志桜里《しおり》は、豪邸《いえ》の最期をこの目で見届けるつもりであった。
信号が青になった。
志桜里《しおり》は、ふらつく足取りで横断歩道を渡ったあと北高につながる橋を渡ろうとした。
この時、浅川の水が北側の地区へあふれ出る一歩手前におちいった。
志桜里《しおり》は、橋のランカンにしがみつきながら橋を渡ることにした。
この時であった。
(ブーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!ブーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!)
防災行政無線のスピーカーからものすごく強烈なブザーが鳴り響いた。
玉川ダムが緊急放流を強行することになった…
市《まち》は、より危険な状態におちいった。
(ギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギ!!ドザーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!)
この時、上流にある玉川ダムの緊急放流用のゲートがひらいた。
同時に、大量の濁った水が一気にあふれ出た。
永代橋付近で水かさが急に増えた…
片山の観測点で、危険水位に達した…
蒼社川の流域の地域に避難指示などが発令されるなど、状況がさらに悪化した。
夕方4時半頃であった。
志桜里《しおり》は、ふらつく足取りで橋をこえたあと川のわきにある細い歩道を歩いて宮下町《みやしたちょう》へやって来た。
この時であった。
志桜里《しおり》は、大型病院の入口付近で足が動かなくなったあと座り込んでしまった。
脳しゅようによる影響で、身体のあちらこちらにメイレイをおくる機能がイカれてしまった。
「歩けない…歩けない…苦しい…」
(ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…)
この時であった。
山方町《やまかたちょう》の方からものすごく恐ろしい地鳴りが響いた。
志桜里《しおり》は、顔を上げて山の方を見た。
志桜里《しおり》は、ものすごく恐ろしい土石流が宮下町《みやしたちょう》側へ向かって勢いよく流れ落ちていく様子を目のあたりにした。
さて、その頃であった。
豪邸《いえ》にいるかおるは、首のケイミャクにナイフをつけていた。
かおるは、ぐすんぐすんと泣きながら家族にわびていた。
「ぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすん…ぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすん…ごめんね…ごめんね…あつこ…てつや…ごめんね…あなたごめんなさい…義母《おかあ》さま…ごめんなさい…健ちゃんばかりをえこひいきした罪は…ぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすん…」
その時であった。
(ドザーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!ガシャーン!!バリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリ!!)
大容量の土石流が地区に流れ込んだ。
大容量の土石流が地区にある建物を次々と破壊した。
(ザバーン!!)
つづいて、タプタプ満タンになっていた浅川の水がかたまりとなって地区へ流れ出した。
「イヤ!!イヤァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」
志桜里《しおり》は、水のかたまりにのまれたあと流されてしまった。
そして…
(ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!ガシャーン!!バリバリバリバリバリバリバリバリ!!)
大容量の土石流が豪邸《いえ》に流れ込んだ。
豪邸《いえ》は、大容量の土石流によってぺちゃんこにつぶれた。
中にいたかおるは、土石流にのまれて亡くなった。
豪邸《いえ》があった地区に水のかたまりが次々と流れ込んだことにより壊滅した。
【終】
午後3時過ぎであった。
台風の中心が室戸岬沖に到達した。
四国地方全域は、風速25メートル以上の暴風域におおわれていたが、午後3時を過ぎたあたりから状況が極力悪化した。
台風24号は、非常に強い勢力で西日本に接近したあと再び猛烈な勢力に変わった。
この時であった。
(ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…)
山方町《やまかたちょう》の方で恐ろしい地鳴りが響いた。
土石流災害が発生する恐れが出たようだ。
水がタプタプ満タンになった浅川は、日吉川と合流する地点で水かさがさらに増えた。
どす黒く濁《にご》った水が馬越二番耕地側へ流れ出した。
(ポロポロポロポロ…)
同時に、水につかった道路の近くにある山から小石が落ちた。
それから2分後…
(ドザー!!)
上の方から大量の土砂が崩れ落ちた。
崩れ落ちた土砂は、水につかった道路へ向かって流れ落ちた。
山方町と高地町のところどころで斜面が崩れ落ちる被害が発生した。
水がタプタプ満タンになった浅川のところどころで越水が発生した。
うんと遠く離れている場所にある蒼社川《そうじゃがわ》が危険な状態におちいった。
うんと上流にある玉川ダムの付近で120ミリに相当する猛烈な雨が降ったことによりきわめて危険な状態になった。
その頃であった。
がんセンターに入院していた志桜里《しおり》が脱走したあと再び今治市にやって来た。
志桜里《しおり》は、今治駅から歩いて北高付近の交差点にやって来た。
志桜里《しおり》は、北高につながる橋の向かい側で信号待ちをしていた。
志桜里《しおり》は、豪邸《いえ》の最期をこの目で見届けるつもりであった。
信号が青になった。
志桜里《しおり》は、ふらつく足取りで横断歩道を渡ったあと北高につながる橋を渡ろうとした。
この時、浅川の水が北側の地区へあふれ出る一歩手前におちいった。
志桜里《しおり》は、橋のランカンにしがみつきながら橋を渡ることにした。
この時であった。
(ブーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!ブーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!)
防災行政無線のスピーカーからものすごく強烈なブザーが鳴り響いた。
玉川ダムが緊急放流を強行することになった…
市《まち》は、より危険な状態におちいった。
(ギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギ!!ドザーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!)
この時、上流にある玉川ダムの緊急放流用のゲートがひらいた。
同時に、大量の濁った水が一気にあふれ出た。
永代橋付近で水かさが急に増えた…
片山の観測点で、危険水位に達した…
蒼社川の流域の地域に避難指示などが発令されるなど、状況がさらに悪化した。
夕方4時半頃であった。
志桜里《しおり》は、ふらつく足取りで橋をこえたあと川のわきにある細い歩道を歩いて宮下町《みやしたちょう》へやって来た。
この時であった。
志桜里《しおり》は、大型病院の入口付近で足が動かなくなったあと座り込んでしまった。
脳しゅようによる影響で、身体のあちらこちらにメイレイをおくる機能がイカれてしまった。
「歩けない…歩けない…苦しい…」
(ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…)
この時であった。
山方町《やまかたちょう》の方からものすごく恐ろしい地鳴りが響いた。
志桜里《しおり》は、顔を上げて山の方を見た。
志桜里《しおり》は、ものすごく恐ろしい土石流が宮下町《みやしたちょう》側へ向かって勢いよく流れ落ちていく様子を目のあたりにした。
さて、その頃であった。
豪邸《いえ》にいるかおるは、首のケイミャクにナイフをつけていた。
かおるは、ぐすんぐすんと泣きながら家族にわびていた。
「ぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすん…ぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすん…ごめんね…ごめんね…あつこ…てつや…ごめんね…あなたごめんなさい…義母《おかあ》さま…ごめんなさい…健ちゃんばかりをえこひいきした罪は…ぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすん…」
その時であった。
(ドザーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!ガシャーン!!バリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリ!!)
大容量の土石流が地区に流れ込んだ。
大容量の土石流が地区にある建物を次々と破壊した。
(ザバーン!!)
つづいて、タプタプ満タンになっていた浅川の水がかたまりとなって地区へ流れ出した。
「イヤ!!イヤァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」
志桜里《しおり》は、水のかたまりにのまれたあと流されてしまった。
そして…
(ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!ガシャーン!!バリバリバリバリバリバリバリバリ!!)
大容量の土石流が豪邸《いえ》に流れ込んだ。
豪邸《いえ》は、大容量の土石流によってぺちゃんこにつぶれた。
中にいたかおるは、土石流にのまれて亡くなった。
豪邸《いえ》があった地区に水のかたまりが次々と流れ込んだことにより壊滅した。
【終】