クローバー
俺の隣にもすでに店の術中にハマってるヤツが1人。

「だめだぁ。どう考えても1回じゃ全種類は無理だよ。また来なきゃ!」

俺達は1つづつクレープを買った。天音はたっぷりとトッピングをして満足そうだ。

食べながら歩くのに抵抗のある俺は天音にこの先の広場で食べようと誘った。


「で?色々かけてたみたいだけど何にしたんだよ?」

色んな物がかかってて食べづらそうにしている天音にそれとなく聞いてみた。ちなみに俺は甘い物があまり得意ではないので野菜とツナのサラダクレープにマヨネーズをトッピングした。

「えっと、バナナクレープに苺と…チョコと練乳とそれから…ブルーベリー、ココナッツパウダー、青のり…じゃなくて抹茶の粉とあとは…」

聞いただけで気分が悪くなりそうだったので、

「いや、やっぱいい。てか、天音のソレは完全に失敗だろ。」

と天音を制止し自分のクレープに集中することにした。

「あれ?知らないの?失敗とは成功の元なんですよ。あ、落ちた…。」

と賢ぶった天音だが、話す時に手がじっとしていられないクセのおかげでクレープのトッピングソースを地面に落としてしまい歯切れ悪そうにしている。

天音の落とした甘いソースの周りを一匹の蟻がうろちょろしてるのを見ていると、

「さっきの話の続きなんだけど…。双葉君はどう思う?」

「さっきの話って?」
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