クローバー
「だからぁ。皆どう思ってるのかな?って話し。」

「あぁ。」さっき聞き返した質問の話しだと今気づいた。「さっきも聞いたけど、いったい何に対して?」

俺の質問に唇を尖らせて天音は言う、

「それは…つまり私達の事だけど…。並んで歩いてたり、こーして一緒にクレープを食べたりしてるのを見て、カップルだとか思われたりしてたりするのかなぁー?って…。」

「そ、それは…。」

周りを伺うと俺達の他にも男女のペアがこの広場には複数いた。行き交う人々の中にも。こっちの広場に関しては人目も気にせずキスしてる奴らまでいる。

「ねぇ?双葉君?」

俺は誰の目にも明らかに…動揺していた。

そんな事、今まで言われた事が無い。考えた事も無い。近寄る存在は全て拒絶してきた。

何を言えば良いんだ?

「なーんてね!」

天音はそう言ってクスクスと笑う。

「…?」

「誰もアタシ達の事なんか見てないよ。皆、自分の世界を守るのに精一杯だからさ。双葉君もね。」

< 16 / 53 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop