クローバー
「あ、今分かった。って言ったよね。ぜっったい!約束だからね!」

「ったく…。何で俺なんかと見たいんだよ?天音は物好きだな。」

「だって、こうでもしないと他に──。」

最後の方は小さくて聞き取れなかった。

まぁ…いいか。

「夕陽…綺麗だな。」

昔は良く姉さんと見ていた。

「帰りは電車ね。もうくたくただよ。」

どうやら天音は落ち着いたらしい。

「そうしよう。俺もさすがに疲れた。」


帰りの電車は運良く2人とも席に座る事が出来た。

足が疲れていたから物凄くありがたい。だが同時に睡魔との戦いにもなった。たった二駅…眠ったら絶対に乗り過ごしてしまうだろう。

「あーだめ…アタシ寝ちゃいそう…。」

「俺も…。」

「そうだ。しりとりしよ。」

余計眠たくなる気がしたが何もやらないよりはマシだと考えた。

「分かった。」

電車が動き出す。

「じゃあ、アタシからね。クレープ。」

「ぷ?いきなり難しいな。んー…」

電車の揺れが心地よく感じて更に眠気を誘う。

「そうだ…プードル。」

大分考えていたらしく、車内にはもうすぐ次の駅に到着するというアナウンスが流れる。

「んーとね……キス…。」
キスって。つか、しりとりになって無いじゃんか。

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