1monthCinderella〜契約彼氏は魔法使い〜
滝汗っていうのはこういうことなんだと分かるほど上野慎一の顎から汗が落ちた。

「亜由美、何コイツ」

京子は親指で慎一を指差すとさらに追い討ちをかける。

「友人の女とヤリたいばかりに無関係な人と一発ヤろうとするゲスがなんで亜由美の後をついて歩いてるわけ?ストーカー?てか、何でいつまでもそこに立ってるわけ?まさか、アソコまで勃ってるわけじゃないよね?いくら友人の女とヤりたいからってそこまでする?」

私が聞いていても恥ずかしい言葉を次々と慎一に投げかける為、周りにいる客もチラチラと見ている。

「井口さんと佐藤が付き合っているなんて知らなかったんだ」

「いつも金魚のフンみたいに井口乃乃の尻を追っかけといて、知らなかったとかありえないけど、仮に知らなかったとしても無関係の子を騙して一発ヤろうとかゲスすぎて周し蹴りレベルだけど」

京子はそう言うと慎一の写真を撮りさらに追い詰めていく。
こういう所は、いくら竜基さんの魔法があっても真似できない気がする。

「謝罪は不要だって言ってるんだからいい加減帰れよ、じゃなかったらこの写真と共に女騙して一発やり逃げ未遂男ってコメントつけてラインで回すけど?お前、それくらいありえないことしたんだから自覚持てよ」

土気色の顔というのもこう言うのを言うんだと、今日は色々な表現を体験できた。

「あの、ごめん。昼食べて行くから。じゃあ」

よくわからない言葉を吐くとなぜかカウンター席に座った。

その姿を見て京子と顔を見合わせて吹き出した。

京子は入学した時からいつだって私の味方をしてくれた。暗い私でもかまわずいつもグイグイと引っ張ってくれて大学生活が楽しいと思えるのはひとえに京子のおかげだ。
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