1monthCinderella〜契約彼氏は魔法使い〜
「彼等は?」

車内で安堵のため息を吐いた時運転席から声がかかる。

「告白ゲームの二人です」

「どっちが告白した方?」

慎一の特徴を告げると「そう」と返事があった。

「あの二人ずっとしつこくて助かりました」

「亜由美はあの男に未練はないの?」

まるで私が慎一を好きだったみたいな言い方に驚いて、別に好きじゃ無いことあの二人がゲスの極みな事を力説していると竜基さんが吹き出した。

「わかったよ、何事も無くて安心した。でも、しつこいのはマズいな。亜由美の本当の姿に気がついて惜しくなったのかもしれない。今日からもう一つレッスンを増やそう」

まだ覚える事があるんだ。

思わず「えっ」と答えると一瞬こちらを見た竜基さんが満面の笑みをみせた。

「竜基さんお仕事は?」

「行くところがあるからそのついでだよ」

昨日来たビルに到着すると「夜も迎えにくるよ」と送り出してくれた。

ウォーキングとマナー講座を終えてビルを出ると竜基さんが待っていてくれた。

「あの、ありがとうございます」

「今日だけ特別だから、普段は俺も時間が不規則だし遅くなることがあるから、悪いが明日からは一人で」

「もちろん大丈夫です。あの、金曜の夜はアンソルスレールに行ってもいいですか?」

「歓迎するよ。実は今はアンソルスレールには金曜日しか入っていないんだ」

「そうなんですね、いつも金曜日にしか行ったことがなかったから、ラッキーだったんですね」

「まぁそうかな」

「普段はNインポートなんですか?」

「そうだね。本当はバーテンダーだけできればよかったんだけど、一人息子だったりするから。お酒って作られた背景とか、意味とかそういうのが面白いから、特にカクテルは楽しむ意外に時に励ましたりする為のツールにもなるからね」

「私も竜基さんのカクテルが1週間頑張った自分へのご褒美だったりしたんです、学生のくせに生意気ですよね」

「学生だって勉強を頑張っているし、これから社会に出て行く準備でがんばっているんだからご褒美はいいことだよ」

「じゃあ、Nインポートの子会社的な感じなんですか?」

「お酒を扱う店を他にも持っているんだけどね。そっちにも時々顔を出すことはあるんだ」

さあ着いたと言う言葉でマンションの駐車場にいることに気がついた。

「部屋に戻ったらレッスンをはじめようか」

レッスン?
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