1monthCinderella〜契約彼氏は魔法使い〜
竜基side

止まらなかった。

初めてだった亜由美の体を気遣うはずが翌日には抱き潰してしまうとは。

申し訳ない気持ちでホテルのバイキングに朝食を食べに行ったら、次々と料理を平らげていく姿が可愛いすぎる。

いつものように魔法をかけようとしたら、必要が無いと言われた。
顔を前髪で隠してスタイルの良さを猫背で隠していた彼女はもういない。
“自信”というドレスを纏ったシンデレラは強さと輝きを手に入れた。

大学の門の前で亜由美を降ろす。
わざわざ目立つようにしたのは牽制の一つだが、影山に知られたら呆れられるんだろうな。

ピンと背筋を伸ばし凜とした姿で歩く後ろ姿を見送って車を発進させると、ホルダーに置いたスマホが着信を知らせた。










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