スパダリ部長に愛されてます

はじめてのレッスン

静かな呼吸が広がる空間。
ここは新宿の高層ビル群にあるヨガスタジオ『サットサンガ』。
新宿駅の東口地下から直結しているビルの中にあるので、
平日は新宿で働く仕事帰りのお勤めの人たちに人気の教室だ。

今は土曜日の午前11時半。
週末がお休みの会社員が多い。
様々な年齢層の生徒さんとともに、60分しっかりと身体を動かし、スタジオ内は熱気を含んでいる。

レッスンの最後、生徒さんたちとあぐらを組んで、最後の息を吐く。
ゆっくりと目を開け、向かい合う10人ほどの生徒さんたちを見回し終わりの挨拶をする。

「今日が皆さんにとって素敵な一日になりますように。
ありがとうございました」

「「「ありがとうございましたーーー」」」

「お疲れ様です！
マットなどは、こちらで拭いてくださいねー」
ウエットティッシュとごみ箱をスタジオの中心に置きながら、
思い思いに片付けに入る生徒さんたちに声をかける。

ヨガインストラクターになって1年半。
ようやく周りが見え、反省ばかりだった最初の頃とは違い、充実感に包まれるようになってきた。
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