スパダリ部長に愛されてます
部長を待たせていることを思い出し、急いで教室を片付け、控室で帰る準備をして、
挨拶のため受付に顔を出すと、やっぱりマキちゃんにつかまった。

「ヨーコ先生!新山さんとどういう知り合いなんです?部長って呼んでましたよね?」
ぐいっと私の近くに踏み込み、にっこりと可愛らしい顔を近づけてくる。
マキちゃんにつられて、こっちもにやけそうだけど、先生という立場なのを思い出し、にやける顔をぐっと抑える。
「会社の上司なんですよ。新山部長です。」
一応、神妙な顔をして答える。
「えーーー!部長!!
そんなことあるんですね!うらやましいです!!
いやぁん、新山さん、かっこいいですよねぇ
いいなぁ、いいなぁ、お仕事してる新山さんも見たいです!」
「うふふふ、うーん、そうですねぇ、やっぱり、めちゃめちゃかっこいいですよ!」
「きゃーーー!」
妄想して興奮してるマキちゃんともう少しおしゃべりしたいけど、
私にはこの後大事なことが待っている。
「ごめんなさい。約束があるので、今日は帰りますね。
お疲れ様でした。」
「はい、お疲れ様でした。また来週もよろしくお願いします!
またいろいろ聞かせてくださいね。」
マキちゃんに手を振って、教室をあとにする。
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