Cherry Blossoms〜白銀の女神〜

桜士の言葉に日陽花が目を見開く。次に、桜士は血まみれ女性が描かれたイラストを指差した。その目はテッドに向けられている。

「この絵は、全米で何十人もの若い女性に性的暴行を加えて殺害した事件を表していた。その犯人の名前は「テッド」だ」

テッドが悔しげな表情を浮かべ、舌打ちをする。そんな中、桜士はシャーロック・ホームズの名言を指さした。その目はジェイムズに向けられている。

「シャーロック・ホームズの名言が何故書かれているのか、それは小説の中に登場するとある人物がお前と同じ名前だからだ。ホームズの宿敵の名前は、「ジェイムズ」だ」

ジェイムズは途端に無表情になり、冷たい目で桜士と十を見つめる。そんな中、桜士の隣にいた十が口を開いた。

「ホテルで働く従業員と宿泊客を調べた。この絵と同じ名前であることは、君たち三人だけ。君たちが幹部なんだろ？君たちの後ろに仕掛けられた爆弾がそれを物語ってる」

日陽花は「チッ」と大きく舌打ちをした後、悔しげに2人を睨みつけた。そして、懐から巨大なナイフを取り出し、言う。