Cherry Blossoms〜白銀の女神〜
桜士はスキュラを止めようと走ったが、無慈悲にもスイッチは押されてしまう。刹那、タイマーが動き出した。あと十五分ほどで仕掛けられた爆弾は爆発してしまう。

「アッハハハハハハハ!!何その顔、ウケるんですけど〜!!」

日陽花ーーー否、メドューサが大声で馬鹿にしたように笑う。今度は桜士が舌打ちをする番だった。爆発物処理班の出動を要請したところで、十五分で着くはずがない。

「灰原、爆弾の解体はできるか?」

桜士が素早く十の方を向く。だが、十はすぐに首を横に振る。

「えっ、できませんよ」

「クソッ、俺も簡単なもの以外は無理だ!」

桜士が頭を抱えると、「九条さんでもできないことがあるんですね……」と少し安心したように十が言い、今はそれどころではないと桜士は十を怒鳴る。

「パニックになってんのか?イエティが「優秀」って言ってたけど、大したことなさそうだな」

ミノタウロスが嬉しそうに笑い、桜士と十を馬鹿にする。その時、「これ、爆弾か」と声が二人の背後から聞こえた。
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