Cherry Blossoms〜白銀の女神〜
その声の主は、リティクだった。その後ろにはナタリアとヨハン、そしてクラウディオがいる。その顔は、手術を行う時以上に真剣で、どこか野生動物のように警戒した目をしていた。

「リティク、爆弾の解体をお願いできるか?」

クラウディオの言葉に、リティクは「もちろん。俺に解体できない爆弾はない」と頷く。爆発物処理班でない人間が爆弾を解体など、許されることではない。だが、今はそんなことを気にしてはいられない。

「リティクさん、爆弾の解体ができるんですか?」

十が訊ねると、リティクではなくヨハンが口を開いた。

「リティクは爆弾をパッと見ただけで構造がわかるし、解体も完璧にできる。戦場では百個以上の爆弾を解体してるんだ」

桜士たちが思っている以上に、リティクは爆弾に慣れているようだ。すると、苛立ちを隠せない様子の声が響く。

「何をさっきからごちゃごちゃ喋ってんのよ!!お前ら全員、やっぱりここで殺してやる!!」
< 51 / 64 >

この作品をシェア

pagetop