Cherry Blossoms〜白銀の女神〜

ナタリアはメドューサの腕を掴み、素早く腹に蹴りを入れる。メドューサは苦痛に顔を歪ませ、「グゥ！」と声を上げながら地面に膝をつける。

クラウディオは何度もミノタウロスを掴み掛かろうとし、ミノタウロスは拳銃を振り回して抵抗する。だが、十が手を掴み、足払いをかけて地面に倒してしまった。

「みんな！爆弾の解体、終わったぞ！」

リティクがそう大声で言い、ヨハンたちがホッとした顔を見せる。桜士が口を開いた。

「ダムの爆破はもう失敗した！諦めて警察に大人しく逮捕されろ！」

だが、三人は痛みに顔を歪ませつつも、笑みを浮かべた。スキュラが口を開く。

「今回は我々の負けだ。だが、我々は決して諦めない。この世界から虫ケラを排除することを……」

スキュラはそう言った後、玉のようなものを地面に投げ付ける。辺りに煙が漂い、桜士は舌打ちをした。イエティの時と同じである。

「クソッ！」

桜士は煙の中、必死に三人を探したものの、三人の姿は煙のように消えてしまっていた。悔しさが、心に募る。