Restart~あなたが好きだから~
「私は恋愛に興味ないですし、そんな私だから、秘書にしたって専務からは直接言われてますから・・・。」
場を鎮めるように言った七瀬が言うと
「ということは専務もそうってこと?」
「になるよね・・・。」
「そっか。それじゃ、私たちがお呼びじゃないのも当たり前ということだよね。」
「まさかとは思ってたけど・・・。」
みんなで、顔を見合わせている。なんとなく座が静まり返ってしまい
「あのう。とりあえず今はその話題は置いておいて、せっかくのお料理を楽しみませんか?」
七瀬は先輩たちを諭すように言ってみる。
「それもそっか。」
「うん、食べよう食べよう。」
その言葉に、彼女たちはハッと我に返ったように頷いた。
そうこうしているうちにも、式は華やかに滞りなく進んで行った。お色直し後に再登場した新婦の美しさに、会場からは思わずため息が漏れたし、式の終わりに挨拶に立った新郎の
「理子のような素敵な女性が、僕と一緒にこれからの人生を歩んでくれることを光栄に思っています。そして、僕がこれから為すべきことは、そんな彼女に後悔だけは絶対にさせない、ただそれだけだと思っています。僕は理子を必ず幸せにします。そのことをここで、今日僕たちの為にご参列下さった皆様にお約束して、ご挨拶とさせていていただきます。」
という言葉に七瀬は
(カッコいいな、澤崎さん。羨ましいな、城之内さん・・・。)
正直、思ってしまった。
司会者の閉宴の言葉のあと、クロ-ジングソングが流れ、披露宴は終わりを告げる。ひとり、またひとりと参列者が席を立ち、新郎新婦が待つ出口に向かう。先輩、同僚たちに続いて新郎新婦に前に立った七瀬はまず新郎に挨拶すると
「藤堂さん、これからも力を合わせて、氷室を支えて行こう。」
と声を掛けられ、続いて新婦からも
「藤堂さん、今日はありがとうございました、これからの専務に必要なのは私じゃなくて、あなた。だから・・・頑張ってね。」
笑顔でそう言われた。
「はい。本日はまことにおめでとうございます。理子さんもお幸せに。」
七瀬も笑顔を返し、2人から離れると
「七瀬。」
と声が掛かる、氷室だ。
「あっ専務。本日はお疲れ様でした。」
近付いて来る氷室に、七瀬はそう言って、頭を下げる。
「七瀬もお疲れ。今日はこのまま帰るのか?」
「はい、失礼させていただきます。」
このあと二次会もあるのだが、七瀬は城之内の後任になって、急遽招待された立場なので、そちらは遠慮することにしていた。
「わかった。じゃ、気をつけてな。」
ポンと1つ七瀬の肩を叩いて、軽く片手を挙げると、氷室は七瀬から離れて行く。
「う~ん。」
すると先輩が横で首をひねっている。
「どうしたんですか?」
「専務、本当に七瀬に気がないのかな?」
「えっ?」
「だいたい専務が部下の女性を名前呼びしてるのなんか、他に見たことないし、今の専務の態度と雰囲気も、いくら職場じゃないにしても、かなりフランクで、やっぱり他の女子社員に対するのとは違うと思うんだけど・・・」
「そう、ですかね・・・?」
そう答えながら、七瀬は氷室の後姿を見やっていた。
場を鎮めるように言った七瀬が言うと
「ということは専務もそうってこと?」
「になるよね・・・。」
「そっか。それじゃ、私たちがお呼びじゃないのも当たり前ということだよね。」
「まさかとは思ってたけど・・・。」
みんなで、顔を見合わせている。なんとなく座が静まり返ってしまい
「あのう。とりあえず今はその話題は置いておいて、せっかくのお料理を楽しみませんか?」
七瀬は先輩たちを諭すように言ってみる。
「それもそっか。」
「うん、食べよう食べよう。」
その言葉に、彼女たちはハッと我に返ったように頷いた。
そうこうしているうちにも、式は華やかに滞りなく進んで行った。お色直し後に再登場した新婦の美しさに、会場からは思わずため息が漏れたし、式の終わりに挨拶に立った新郎の
「理子のような素敵な女性が、僕と一緒にこれからの人生を歩んでくれることを光栄に思っています。そして、僕がこれから為すべきことは、そんな彼女に後悔だけは絶対にさせない、ただそれだけだと思っています。僕は理子を必ず幸せにします。そのことをここで、今日僕たちの為にご参列下さった皆様にお約束して、ご挨拶とさせていていただきます。」
という言葉に七瀬は
(カッコいいな、澤崎さん。羨ましいな、城之内さん・・・。)
正直、思ってしまった。
司会者の閉宴の言葉のあと、クロ-ジングソングが流れ、披露宴は終わりを告げる。ひとり、またひとりと参列者が席を立ち、新郎新婦が待つ出口に向かう。先輩、同僚たちに続いて新郎新婦に前に立った七瀬はまず新郎に挨拶すると
「藤堂さん、これからも力を合わせて、氷室を支えて行こう。」
と声を掛けられ、続いて新婦からも
「藤堂さん、今日はありがとうございました、これからの専務に必要なのは私じゃなくて、あなた。だから・・・頑張ってね。」
笑顔でそう言われた。
「はい。本日はまことにおめでとうございます。理子さんもお幸せに。」
七瀬も笑顔を返し、2人から離れると
「七瀬。」
と声が掛かる、氷室だ。
「あっ専務。本日はお疲れ様でした。」
近付いて来る氷室に、七瀬はそう言って、頭を下げる。
「七瀬もお疲れ。今日はこのまま帰るのか?」
「はい、失礼させていただきます。」
このあと二次会もあるのだが、七瀬は城之内の後任になって、急遽招待された立場なので、そちらは遠慮することにしていた。
「わかった。じゃ、気をつけてな。」
ポンと1つ七瀬の肩を叩いて、軽く片手を挙げると、氷室は七瀬から離れて行く。
「う~ん。」
すると先輩が横で首をひねっている。
「どうしたんですか?」
「専務、本当に七瀬に気がないのかな?」
「えっ?」
「だいたい専務が部下の女性を名前呼びしてるのなんか、他に見たことないし、今の専務の態度と雰囲気も、いくら職場じゃないにしても、かなりフランクで、やっぱり他の女子社員に対するのとは違うと思うんだけど・・・」
「そう、ですかね・・・?」
そう答えながら、七瀬は氷室の後姿を見やっていた。