Restart~あなたが好きだから~
「はい。」
「誕生日おめでとう。」
暖かい笑顔の専務から突然そう言われて、ハッとした七瀬は
「ありがとうございます。」
慌ててペコリと頭を下げた。そう、この日は七瀬の26回目のバースディでもあったのだ。
「これ、大したもんじゃないがバースディプレゼントだ。よかったら受け取ってくれ。」
氷室に小さな包みを差し出され
「よろしいんですか?」
戸惑いながら尋ねる七瀬に
「ああ。この前も言った通り、城之内さん・・・いや今は澤崎さんか。彼女にも誕プレは渡してたからな。遠慮するな。」
氷室は答える。
「それではちょうだいします、ありがとうございます。」
お礼を言って、受け取った七瀬は
「では失礼します。」
秘書の顔に戻って、改めて一礼して部屋を出て行く。
「あいつも26歳か・・・。」
そんな自分の後ろ姿を見ながら、氷室がポツリと呟いたのには、七瀬は気が付いていなかった。デスクに戻った彼女の頭の中を占めているのは、いかにオフィスの引っ越しを円滑に進めるかだった。七瀬は改めて、段取りを頭の中で反芻しながら、応援部隊の到着を待った。
まもなく、9時ピッタリに顔を出した応援部隊に
「本日はありがとうございます。」
と礼を述べた七瀬は、すぐに彼らと共に専務執務室に入って行く。
「みんなご苦労さん、今日はよろしくな。」
そんな彼らに声を掛けた氷室は
「じゃ七瀬、俺は出るから。後は頼んだぞ。」
執務室を出て行く。
「かしこまりました。」
そう答えて氷室を見送った七瀬の
「それでは、早速作業開始をお願いします。」
という言葉を合図に、総務部員たちは一斉に動き出した。
彼らの作業の進捗に合わせて、2つの部屋を往復しながら、でもその間にも容赦なく飛び込んで来る連絡や電話にも、対応してと慌ただしい時間を、七瀬が過ごしているうちに、引越しは順調に進んで行き、専務室から移動して来た書類や備品が所定の場所に納まって行き、第一副社長のオフィスは氷室圭吾新副社長のそれに様変わりして行く。
その様子を七瀬が見守っているうちに
「藤堂さん、作業完了です。確認をお願いします。」
応援部隊のリーダ-が報告の声を上げた。
「誕生日おめでとう。」
暖かい笑顔の専務から突然そう言われて、ハッとした七瀬は
「ありがとうございます。」
慌ててペコリと頭を下げた。そう、この日は七瀬の26回目のバースディでもあったのだ。
「これ、大したもんじゃないがバースディプレゼントだ。よかったら受け取ってくれ。」
氷室に小さな包みを差し出され
「よろしいんですか?」
戸惑いながら尋ねる七瀬に
「ああ。この前も言った通り、城之内さん・・・いや今は澤崎さんか。彼女にも誕プレは渡してたからな。遠慮するな。」
氷室は答える。
「それではちょうだいします、ありがとうございます。」
お礼を言って、受け取った七瀬は
「では失礼します。」
秘書の顔に戻って、改めて一礼して部屋を出て行く。
「あいつも26歳か・・・。」
そんな自分の後ろ姿を見ながら、氷室がポツリと呟いたのには、七瀬は気が付いていなかった。デスクに戻った彼女の頭の中を占めているのは、いかにオフィスの引っ越しを円滑に進めるかだった。七瀬は改めて、段取りを頭の中で反芻しながら、応援部隊の到着を待った。
まもなく、9時ピッタリに顔を出した応援部隊に
「本日はありがとうございます。」
と礼を述べた七瀬は、すぐに彼らと共に専務執務室に入って行く。
「みんなご苦労さん、今日はよろしくな。」
そんな彼らに声を掛けた氷室は
「じゃ七瀬、俺は出るから。後は頼んだぞ。」
執務室を出て行く。
「かしこまりました。」
そう答えて氷室を見送った七瀬の
「それでは、早速作業開始をお願いします。」
という言葉を合図に、総務部員たちは一斉に動き出した。
彼らの作業の進捗に合わせて、2つの部屋を往復しながら、でもその間にも容赦なく飛び込んで来る連絡や電話にも、対応してと慌ただしい時間を、七瀬が過ごしているうちに、引越しは順調に進んで行き、専務室から移動して来た書類や備品が所定の場所に納まって行き、第一副社長のオフィスは氷室圭吾新副社長のそれに様変わりして行く。
その様子を七瀬が見守っているうちに
「藤堂さん、作業完了です。確認をお願いします。」
応援部隊のリーダ-が報告の声を上げた。