Restart~あなたが好きだから~
取り敢えず、急いで退勤手続きをして、地下駐車場に降りた七瀬が
「すみません、お待たせしました。」
と言いながら、氷室の待つ車の助手席に乗り込むと
「お疲れ、行くぞ」
氷室はぶっきらぼうに言って、車をスタ-トさせる。
「あの専務、今日は・・・?」
「話は、向こうに着いてからだ。」
朝の不機嫌はまだ続いてるようで、相変わらず取り付く島もない。仕方なく七瀬は、黙って前方を見つめる。車はそのまま20分ほど走ると、あるホテルの駐車場に入って行く。
(このホテルって、昨日大和とご飯食べた・・・。)
気付いた七瀬は思わず、氷室の横顔を見る。ここに来たのは偶然なのか、それとも・・・戸惑っていると
「行くぞ。」
そう言って、氷室が運転席を降りるから、七瀬もあとに続く。相変わらず、むっつりと黙っている氷室の少し後ろで、エレベ-タ-を待ちながら
(まさか、昨日と同じレストランに・・・。)
なぜかドキドキしているうちに、扉が開き、2人は中に乗り込む。そして氷室が最上階のボタンを押すのを見て、なぜか今度はホッとした。
再び扉が開くと、正面にレストランの入口が広がっている。氷室に従うように七瀬がエレベ-タ-を降りると
「氷室様、お待ち申し上げておりました。」
出迎えのボーイが慇懃に頭を下げ、2人を席まで案内する。用意されていた席の目前には、東京の美しい夜景が窓いっぱいに広がっていた。
「ここは東京スカイツリ-から浅草寺、仲見世通りといったベイサイド方面とはまた違った東京の夜景が堪能出来て、プライベートで何回か来たことがある。」
席に着くと、氷室は言う。
「それで専務・・・。」
「今はプライベ-トだ、専務はよせ。それに俺はもう専務じゃないからな。」
「すみません。氷室さん、今日は・・・?」
「1日遅れの七瀬の誕生祝いだ。」
「えっ?」
「昨日出来なかったからな。理子さんのバースディもここで祝ったことあるから、是非お前を連れて来たかったんだ。」
氷室の言葉に
(それは後日にってことになってたじゃない。それをなんで、私に無理に沙耶との約束をキャンセルさせて、副社長たちとの約束まで昼に動かして、急に・・・?)
七瀬は唖然として、彼の顔を見るが
「では、始めてくれ。」
氷室は意に介さずに、横に控えるボーイに声を掛けた。
「すみません、お待たせしました。」
と言いながら、氷室の待つ車の助手席に乗り込むと
「お疲れ、行くぞ」
氷室はぶっきらぼうに言って、車をスタ-トさせる。
「あの専務、今日は・・・?」
「話は、向こうに着いてからだ。」
朝の不機嫌はまだ続いてるようで、相変わらず取り付く島もない。仕方なく七瀬は、黙って前方を見つめる。車はそのまま20分ほど走ると、あるホテルの駐車場に入って行く。
(このホテルって、昨日大和とご飯食べた・・・。)
気付いた七瀬は思わず、氷室の横顔を見る。ここに来たのは偶然なのか、それとも・・・戸惑っていると
「行くぞ。」
そう言って、氷室が運転席を降りるから、七瀬もあとに続く。相変わらず、むっつりと黙っている氷室の少し後ろで、エレベ-タ-を待ちながら
(まさか、昨日と同じレストランに・・・。)
なぜかドキドキしているうちに、扉が開き、2人は中に乗り込む。そして氷室が最上階のボタンを押すのを見て、なぜか今度はホッとした。
再び扉が開くと、正面にレストランの入口が広がっている。氷室に従うように七瀬がエレベ-タ-を降りると
「氷室様、お待ち申し上げておりました。」
出迎えのボーイが慇懃に頭を下げ、2人を席まで案内する。用意されていた席の目前には、東京の美しい夜景が窓いっぱいに広がっていた。
「ここは東京スカイツリ-から浅草寺、仲見世通りといったベイサイド方面とはまた違った東京の夜景が堪能出来て、プライベートで何回か来たことがある。」
席に着くと、氷室は言う。
「それで専務・・・。」
「今はプライベ-トだ、専務はよせ。それに俺はもう専務じゃないからな。」
「すみません。氷室さん、今日は・・・?」
「1日遅れの七瀬の誕生祝いだ。」
「えっ?」
「昨日出来なかったからな。理子さんのバースディもここで祝ったことあるから、是非お前を連れて来たかったんだ。」
氷室の言葉に
(それは後日にってことになってたじゃない。それをなんで、私に無理に沙耶との約束をキャンセルさせて、副社長たちとの約束まで昼に動かして、急に・・・?)
七瀬は唖然として、彼の顔を見るが
「では、始めてくれ。」
氷室は意に介さずに、横に控えるボーイに声を掛けた。