Restart~あなたが好きだから~
⑲
翌日。その日の勤務を終えた圭吾は、愛奈と共に奈穂の運転する車の後部座席に身を沈めていた。やがて、車はある建物の前に停まり
「到着しました。」
運転席から奈穂が後部座席の2人に声を掛ける。
「ありがとう。」
と圭吾が答え
「確か4階だったよね?」
確認するように、彼の隣から尋ねる愛奈に
「うん。お店の前で七瀬が待ってるから。」
奈穂は答える。
「わかった。じゃ、行こうか。」
「はい。」
連れ立って、車を降りる2人に
「お気をつけて。」
奈穂は声を掛けると、頷いた2人は、肩を並べて歩き出すと、建物の中に消えた。
(これが仕事絡みじゃなきゃ、お姉ちゃん、もっと嬉しいんだろうにな・・・。)
微妙に距離がある後ろ姿を見送りながら、奈穂は思っていた。それでも親し気に言葉を交わしながら、圭吾と愛奈は目的地に向かう。やがて4階に降り立った2人を
「お待ちしておりました。」
七瀬が恭しく頭を下げて出迎える。
「みなさん、お揃いです。」
「そうか、わかった。」
「ではよろしくお願いします。」
「ああ。」
2人が店の中に入って行くのを見届けると、七瀬はフッと息を吐いた。その後、エレベ-タ-で1Fまで降りた七瀬は、待っていた奈穂の助手席に乗り込んだ。
「お待たせ。」
「お疲れ様、ありがとうね。七瀬はこれから予定ある?」
「ううん。」
「じゃ、お夕飯食べようよ。」
「そうだね。」
話は簡単にまとまり、車をスタ-トさせた奈穂は、そのまま15分程、車を走らせ、現れたレストランの駐車場に入って行く。食事時ではあったが、それほど混雑はしておらず、すんなり席に案内された2人は、手早くオ-ダ-を済ませると改めて、向かい合った。
「でもさ。」
「うん?」
「うまく行くかな?」
「えっ?」
「今更、会社同士のエゴのぶつかり合いで、もしこのコラボがポシャっちゃったら、さすがにお姉ちゃんと氷室さんの責任問題になるよ。なんて言っても、社内にも極秘に進めてきたんだから。」
不安そうな声を上げる奈穂。むろん、姉たちと両社技術陣との会合の行方が心配なのだ。
「到着しました。」
運転席から奈穂が後部座席の2人に声を掛ける。
「ありがとう。」
と圭吾が答え
「確か4階だったよね?」
確認するように、彼の隣から尋ねる愛奈に
「うん。お店の前で七瀬が待ってるから。」
奈穂は答える。
「わかった。じゃ、行こうか。」
「はい。」
連れ立って、車を降りる2人に
「お気をつけて。」
奈穂は声を掛けると、頷いた2人は、肩を並べて歩き出すと、建物の中に消えた。
(これが仕事絡みじゃなきゃ、お姉ちゃん、もっと嬉しいんだろうにな・・・。)
微妙に距離がある後ろ姿を見送りながら、奈穂は思っていた。それでも親し気に言葉を交わしながら、圭吾と愛奈は目的地に向かう。やがて4階に降り立った2人を
「お待ちしておりました。」
七瀬が恭しく頭を下げて出迎える。
「みなさん、お揃いです。」
「そうか、わかった。」
「ではよろしくお願いします。」
「ああ。」
2人が店の中に入って行くのを見届けると、七瀬はフッと息を吐いた。その後、エレベ-タ-で1Fまで降りた七瀬は、待っていた奈穂の助手席に乗り込んだ。
「お待たせ。」
「お疲れ様、ありがとうね。七瀬はこれから予定ある?」
「ううん。」
「じゃ、お夕飯食べようよ。」
「そうだね。」
話は簡単にまとまり、車をスタ-トさせた奈穂は、そのまま15分程、車を走らせ、現れたレストランの駐車場に入って行く。食事時ではあったが、それほど混雑はしておらず、すんなり席に案内された2人は、手早くオ-ダ-を済ませると改めて、向かい合った。
「でもさ。」
「うん?」
「うまく行くかな?」
「えっ?」
「今更、会社同士のエゴのぶつかり合いで、もしこのコラボがポシャっちゃったら、さすがにお姉ちゃんと氷室さんの責任問題になるよ。なんて言っても、社内にも極秘に進めてきたんだから。」
不安そうな声を上げる奈穂。むろん、姉たちと両社技術陣との会合の行方が心配なのだ。