Restart~あなたが好きだから~
「したたか・・・?」
意外な言葉を投げかけられて、戸惑うように自分を見る七瀬に
「だってそうだろ。今のお前は、副社長秘書藤堂七瀬は、俺が期待した、いや現時点では期待以上のバディとして、順調に成長してくれている。そんなお前を俺が手放せるはずがないだろう。そして、それがお前自身もわかったから、安心して俺を振ることにしたんだ。」
圭吾は言い放つ。
「それは違います!」
それに対して、激しく頭を振る七瀬。
「あなたにビジネス面でのバディになって欲しいと言われて、自分には荷が重いとは思いましたが、名誉だと思ったのも事実です。そのご期待になんとか添いたいと思い、今のポジションにやり甲斐を感じています。ですから、出来れば引き続きあなたのお側でお仕えしたいと思っているのも確かです。ですけど、私がそのポジションを手放したくないがゆえに、あなたのもう1つのお気持ちに対して、思わせぶりな態度を取り続けて来たとおっしゃられるのは心外です。」
「・・・。」
「あなたからパートナ-にとおっしゃっていただいた時、もし私にそれに応える気が全くなかったら、あの時点で、私は身を引かせていただいてます。でも、2人共好きだから、なんて傲慢なことを言って、いつまでも迷っていることなんて許されるわけないんです。だから・・・。」
「わかった。さっきは嫌な言い方をしてしまった。それは謝るし、取り消すよ。」
そう言って圭吾が頭を下げる。すると
「いえ、私の方こそ・・・ずっとグズグズして氷室さんをお待たせしてしまったのは本当に申し訳ございませんでした。」
七瀬も慌てて、頭を下げ返す。
「それで、大事なことを聞きたいんだが。」
「はい。」
「幼なじみに告白するのは構わないさ、それは前にも言ったはずだ。だがその結果、七瀬には申し訳ないが、彼の返事がノ-だった場合でも、俺はもうノーチャンスなのか?」
「えっ?・・・」
思わぬ圭吾の言葉に、七瀬は息を呑む。
「さっき、お前は俺にも気持ちがあると言った。だとしたら、彼のことがダメだった場合、俺にするのはアリじゃないのか?」
「でも、そんな失礼なこと・・・。」
「確かに俺にもプライドがある。いわゆる『デモシカ』でお前に選ばれても嬉しくはない・・・と言いたいところではあるが、過程はどうあれ、結果として七瀬を手に入れることが出来るなら、俺はそれでも構わん。一文にもならないプライドなんかより実利を取るのは、ビジネスマンなら当たり前のことだろう。」
そう言って、圭吾はニヤリと笑った。
意外な言葉を投げかけられて、戸惑うように自分を見る七瀬に
「だってそうだろ。今のお前は、副社長秘書藤堂七瀬は、俺が期待した、いや現時点では期待以上のバディとして、順調に成長してくれている。そんなお前を俺が手放せるはずがないだろう。そして、それがお前自身もわかったから、安心して俺を振ることにしたんだ。」
圭吾は言い放つ。
「それは違います!」
それに対して、激しく頭を振る七瀬。
「あなたにビジネス面でのバディになって欲しいと言われて、自分には荷が重いとは思いましたが、名誉だと思ったのも事実です。そのご期待になんとか添いたいと思い、今のポジションにやり甲斐を感じています。ですから、出来れば引き続きあなたのお側でお仕えしたいと思っているのも確かです。ですけど、私がそのポジションを手放したくないがゆえに、あなたのもう1つのお気持ちに対して、思わせぶりな態度を取り続けて来たとおっしゃられるのは心外です。」
「・・・。」
「あなたからパートナ-にとおっしゃっていただいた時、もし私にそれに応える気が全くなかったら、あの時点で、私は身を引かせていただいてます。でも、2人共好きだから、なんて傲慢なことを言って、いつまでも迷っていることなんて許されるわけないんです。だから・・・。」
「わかった。さっきは嫌な言い方をしてしまった。それは謝るし、取り消すよ。」
そう言って圭吾が頭を下げる。すると
「いえ、私の方こそ・・・ずっとグズグズして氷室さんをお待たせしてしまったのは本当に申し訳ございませんでした。」
七瀬も慌てて、頭を下げ返す。
「それで、大事なことを聞きたいんだが。」
「はい。」
「幼なじみに告白するのは構わないさ、それは前にも言ったはずだ。だがその結果、七瀬には申し訳ないが、彼の返事がノ-だった場合でも、俺はもうノーチャンスなのか?」
「えっ?・・・」
思わぬ圭吾の言葉に、七瀬は息を呑む。
「さっき、お前は俺にも気持ちがあると言った。だとしたら、彼のことがダメだった場合、俺にするのはアリじゃないのか?」
「でも、そんな失礼なこと・・・。」
「確かに俺にもプライドがある。いわゆる『デモシカ』でお前に選ばれても嬉しくはない・・・と言いたいところではあるが、過程はどうあれ、結果として七瀬を手に入れることが出来るなら、俺はそれでも構わん。一文にもならないプライドなんかより実利を取るのは、ビジネスマンなら当たり前のことだろう。」
そう言って、圭吾はニヤリと笑った。