Restart~あなたが好きだから~
「こうして、全ては彼女の望む通りになりました。彼女の両親も、彼女の気持ちを汲み、何ひとつ言い訳もせず、頭を下げ続けました。でも・・・そんなのおかしいでしょう!」
ここで、これまで淡々とした口調で話し続けていた福地がついに感情を露にした。
「弥生が何をしたってって言うんだ!弥生は本当に大和さんを心から愛して、大和さんと結ばれたかった、ただそれだけだったんだよ。なのに、そんなささやかな望みすら絶たれ、それだけじゃなくて、大和さんやあなたたちから、憎まれ、軽蔑されながら、やがて記憶の彼方に追いやられるに違いない存在になって、あなたたちが知らない所で消えて行こうとしている。そんなのおかしいでしょ、納得できないよ!」
「・・・。」
「本当はもっと早く、あんたたちに真実を伝えに行きたかった。それが弥生の意思に背くことになることなんて、わかり切ってた。弥生が喜ばないこともわかってた。でもどうしても俺には我慢できなかったんだよ!」
「福地さん・・・。」
「だから俺は今日、どうしても弥生を大和さんに会わせてやりたかったんだ。それって間違ってるかな?間違ってましたかね?藤堂さん!」
目にいっぱい涙を浮かべて、訴えるように言う福地に、七瀬は黙って首を横に振る。そしてその瞳にも涙が浮かんでいた。
福地との話が終わり、気持ちを落ち着かせてから、七瀬は病室に戻った。すると弥生と大和が見つめ合い、手を握り合い、言葉を交わし合っていた。その姿は仲睦まじい恋人同士にしか見えなかった。
その様子を少し眺めていた七瀬が、またソッと部屋を出ようとすると
「藤堂さん。」
呼び止める弥生の声がする。足を止め、振り返った七瀬に
「今日は来てくれてありがとう。」
弥生は微笑みながら言う。
「ううん。」
静かに首を振った七瀬だったが
「あとごめんなさいね。本当は今日、大和くんとデートだったんでしょ?邪魔・・・しちゃったね。」
その弥生の言葉に、ハッとした表情を浮かべる。
「でも、よかった。」
「えっ?」
「あなたたちが一緒の道を歩むことになって、本当によかった。これで私も安心だ・・・。」
「弥生・・・。」
「佐倉さん・・・。」
自分の言葉に複雑な表情を浮かべる七瀬と大和に、しかし弥生は本当に嬉しそうに微笑んでいた。
ここで、これまで淡々とした口調で話し続けていた福地がついに感情を露にした。
「弥生が何をしたってって言うんだ!弥生は本当に大和さんを心から愛して、大和さんと結ばれたかった、ただそれだけだったんだよ。なのに、そんなささやかな望みすら絶たれ、それだけじゃなくて、大和さんやあなたたちから、憎まれ、軽蔑されながら、やがて記憶の彼方に追いやられるに違いない存在になって、あなたたちが知らない所で消えて行こうとしている。そんなのおかしいでしょ、納得できないよ!」
「・・・。」
「本当はもっと早く、あんたたちに真実を伝えに行きたかった。それが弥生の意思に背くことになることなんて、わかり切ってた。弥生が喜ばないこともわかってた。でもどうしても俺には我慢できなかったんだよ!」
「福地さん・・・。」
「だから俺は今日、どうしても弥生を大和さんに会わせてやりたかったんだ。それって間違ってるかな?間違ってましたかね?藤堂さん!」
目にいっぱい涙を浮かべて、訴えるように言う福地に、七瀬は黙って首を横に振る。そしてその瞳にも涙が浮かんでいた。
福地との話が終わり、気持ちを落ち着かせてから、七瀬は病室に戻った。すると弥生と大和が見つめ合い、手を握り合い、言葉を交わし合っていた。その姿は仲睦まじい恋人同士にしか見えなかった。
その様子を少し眺めていた七瀬が、またソッと部屋を出ようとすると
「藤堂さん。」
呼び止める弥生の声がする。足を止め、振り返った七瀬に
「今日は来てくれてありがとう。」
弥生は微笑みながら言う。
「ううん。」
静かに首を振った七瀬だったが
「あとごめんなさいね。本当は今日、大和くんとデートだったんでしょ?邪魔・・・しちゃったね。」
その弥生の言葉に、ハッとした表情を浮かべる。
「でも、よかった。」
「えっ?」
「あなたたちが一緒の道を歩むことになって、本当によかった。これで私も安心だ・・・。」
「弥生・・・。」
「佐倉さん・・・。」
自分の言葉に複雑な表情を浮かべる七瀬と大和に、しかし弥生は本当に嬉しそうに微笑んでいた。