Restart~あなたが好きだから~
こうして賑やかに進んだ誕生会。解禁になったアルコ-ルを口にして、上機嫌な様子の七瀬の横に、沙耶はぴったりと寄り添う。いつものこと、と言えばそうなのだが、実は日頃難攻不落の七瀬が、初めてのアルコ-ルでほろ酔い気分になるのを狙って、この機会に持ち帰ろうとしている輩がいるという話を耳にしていたからだ。
果たして、自分を祝ってくれる席なので、無下に断れないということはあったのだろうが、勧められるままに飲み続ける七瀬。
(この子、案外こういうところ、優しいというかお人よしなんだよね・・・。)
ヒヤヒヤしながら眺めていた沙耶は
「いくらなんでも飲み過ぎだよ、七瀬。みんなも調子に乗り過ぎ、七瀬を急性アルコ-ル中毒にする気?」
ついにストップを掛けた。
「え~、大丈夫だよ沙耶。私、まだ全然酔ってないし~。」
(そのセリフが、酔ってる証拠。)
内心で冷静にツッコんだ沙耶は、もはや頃合いと見て、間違っても送り狼なんかになりそうもない大人しい後輩男子に手伝わせて、七瀬を会場から連れ出し、そのまま彼女の部屋まで運んだ。かれこれ1年半になろうとする付き合いの中で、お互いの部屋に何度も泊まりっこをして来ただけに、沙耶は勝手知ったるといった様子で、七瀬をベッドに寝かしつけると、手伝い男子にお礼を言って送り出し、ドアを施錠した。
帰ろうと思えば、まだ帰れる時間だったが、この新米の酔っ払いがなんとも心配なので、とりあえず今夜はここに泊まるつもりだった。改めて、ベッドの脇に腰を下ろした沙耶は、平和な顔で眠りこけている親友の顔を見て
(呑気な子・・・。)
思わず苦笑いが浮かんで来る。
(とりあえずしばらくは、目を覚まさなそうだから、私も寝かせてもらおうかな。)
これまた勝手知ったる様子で、肌掛けを引っ張り出して、沙耶はソファに横になった。
それからどのくらい経ったのだろう。
「う~ん。」
という七瀬の声で、沙耶は目を覚ました。身体を起こして
「七瀬、どうした?」
と呼び掛けると
「お水、ちょうだい。大和。」
七瀬は言う。
(えっ、誰?大和って・・・。)
聞き慣れぬ名前に戸惑う沙耶だが、取り敢えず
「OK、ちょっと待ってて。」
と答えるとキッチンに向かう。そして、コップを手に戻って来ると
「起きられる?」
と聞くと、うんという返事と共に七瀬が起き上がる。そして、沙耶からコップを受け取ると、それを一気に飲み干す。
「美味しい、ありがとう。」
「気持ち悪くない?」
「それは大丈夫、頭は痛いけどね・・・。」
そう言って、七瀬は少し照れ臭そうな笑みを浮かべた。
果たして、自分を祝ってくれる席なので、無下に断れないということはあったのだろうが、勧められるままに飲み続ける七瀬。
(この子、案外こういうところ、優しいというかお人よしなんだよね・・・。)
ヒヤヒヤしながら眺めていた沙耶は
「いくらなんでも飲み過ぎだよ、七瀬。みんなも調子に乗り過ぎ、七瀬を急性アルコ-ル中毒にする気?」
ついにストップを掛けた。
「え~、大丈夫だよ沙耶。私、まだ全然酔ってないし~。」
(そのセリフが、酔ってる証拠。)
内心で冷静にツッコんだ沙耶は、もはや頃合いと見て、間違っても送り狼なんかになりそうもない大人しい後輩男子に手伝わせて、七瀬を会場から連れ出し、そのまま彼女の部屋まで運んだ。かれこれ1年半になろうとする付き合いの中で、お互いの部屋に何度も泊まりっこをして来ただけに、沙耶は勝手知ったるといった様子で、七瀬をベッドに寝かしつけると、手伝い男子にお礼を言って送り出し、ドアを施錠した。
帰ろうと思えば、まだ帰れる時間だったが、この新米の酔っ払いがなんとも心配なので、とりあえず今夜はここに泊まるつもりだった。改めて、ベッドの脇に腰を下ろした沙耶は、平和な顔で眠りこけている親友の顔を見て
(呑気な子・・・。)
思わず苦笑いが浮かんで来る。
(とりあえずしばらくは、目を覚まさなそうだから、私も寝かせてもらおうかな。)
これまた勝手知ったる様子で、肌掛けを引っ張り出して、沙耶はソファに横になった。
それからどのくらい経ったのだろう。
「う~ん。」
という七瀬の声で、沙耶は目を覚ました。身体を起こして
「七瀬、どうした?」
と呼び掛けると
「お水、ちょうだい。大和。」
七瀬は言う。
(えっ、誰?大和って・・・。)
聞き慣れぬ名前に戸惑う沙耶だが、取り敢えず
「OK、ちょっと待ってて。」
と答えるとキッチンに向かう。そして、コップを手に戻って来ると
「起きられる?」
と聞くと、うんという返事と共に七瀬が起き上がる。そして、沙耶からコップを受け取ると、それを一気に飲み干す。
「美味しい、ありがとう。」
「気持ち悪くない?」
「それは大丈夫、頭は痛いけどね・・・。」
そう言って、七瀬は少し照れ臭そうな笑みを浮かべた。