Restart~あなたが好きだから~
「でも人事部の調査ではパワハラは認定されなかったと聞いています。僕自身、人事部のヒヤリングを受けた時、1度だって主任からパワハラなんか受けたことない。はっきりそう答えました。」
その田中の言葉に、七瀬は驚いたような表情を浮かべる。
「僕は納得いきません!」
少し興奮気味の田中。
「田中くん。」
「はい。」
「今回の辞令は、実は私が望んだんだよ。」
「えっ?」
驚きの声を上げる田中に
「確かにパワハラは認定されなかったけど、私の言動からそういうものを感じたと言う人が複数いたのも事実で、私は人事部から注意を受けた。それに私自身は決してそんなつもりはなかったけど、省みてみれば、そう受け取られても仕方ないっていう心当たりが全然なかったわけじゃなかったから。これはやっぱり責任取った方がいいかなって思って、主任のポストから外して欲しいってお願いをしたんだよ。そしたら、営業部から外れることになっちゃって。正直ちょっとショックだったけど、別に降格でもないし、まして私たち会社員に、辞令は拒否する権利なんかないから。仕方ないんだよ。」
宥めるように、七瀬は説明した。が田中は更に
「納得出来ないことがもう1つあります。」
と言い出した。
「前に主任は言ってくれましたよね。俺に見込みがあるから、今は手元に置いて鍛えてるつもりだから信じて付いて来てくれると嬉しいって。」
「うん・・・。」
「それなのに、あの騒動以降、急に俺に何にも言ってくれなくなった。営業にも同行させてくれなくなった。それはなんでなんですか?」
そう言って、まっすぐ自分を見る田中の視線に耐えられなくなって、俯いた七瀬は
「ごめん・・・。」
と言うと、顔を上げた。
「そのことについては謝るしかない。私をパワハラで告発したの、田中くんだと思ってたんだ。」
「主任・・・。」
「だから・・・君から離れなきゃと思ったんだ。本当にごめんなさい・・・。」
そう言って頭を下げる七瀬を、唖然とした表情で見つめる田中。気まずい沈黙が流れる。
「そう、だったんですか・・・。」
やがて、力のない田中の言葉が聞こえて来て、七瀬はいよいよ頭が上げられなくなる。
その田中の言葉に、七瀬は驚いたような表情を浮かべる。
「僕は納得いきません!」
少し興奮気味の田中。
「田中くん。」
「はい。」
「今回の辞令は、実は私が望んだんだよ。」
「えっ?」
驚きの声を上げる田中に
「確かにパワハラは認定されなかったけど、私の言動からそういうものを感じたと言う人が複数いたのも事実で、私は人事部から注意を受けた。それに私自身は決してそんなつもりはなかったけど、省みてみれば、そう受け取られても仕方ないっていう心当たりが全然なかったわけじゃなかったから。これはやっぱり責任取った方がいいかなって思って、主任のポストから外して欲しいってお願いをしたんだよ。そしたら、営業部から外れることになっちゃって。正直ちょっとショックだったけど、別に降格でもないし、まして私たち会社員に、辞令は拒否する権利なんかないから。仕方ないんだよ。」
宥めるように、七瀬は説明した。が田中は更に
「納得出来ないことがもう1つあります。」
と言い出した。
「前に主任は言ってくれましたよね。俺に見込みがあるから、今は手元に置いて鍛えてるつもりだから信じて付いて来てくれると嬉しいって。」
「うん・・・。」
「それなのに、あの騒動以降、急に俺に何にも言ってくれなくなった。営業にも同行させてくれなくなった。それはなんでなんですか?」
そう言って、まっすぐ自分を見る田中の視線に耐えられなくなって、俯いた七瀬は
「ごめん・・・。」
と言うと、顔を上げた。
「そのことについては謝るしかない。私をパワハラで告発したの、田中くんだと思ってたんだ。」
「主任・・・。」
「だから・・・君から離れなきゃと思ったんだ。本当にごめんなさい・・・。」
そう言って頭を下げる七瀬を、唖然とした表情で見つめる田中。気まずい沈黙が流れる。
「そう、だったんですか・・・。」
やがて、力のない田中の言葉が聞こえて来て、七瀬はいよいよ頭が上げられなくなる。