Restart~あなたが好きだから~
部屋に入ると、椅子に腰かけ、力ない表情でこちらを見ている大和と目が合う。
(大和・・・。)
この前会った時とは、別人のように憔悴している幼なじみの姿に、七瀬が一瞬息を呑んでいると
「今日はありがとう。」
そう言いながら、立ち上がった大和は弱々しい笑顔を浮かべたが、その笑顔はすぐに消えてしまう。
「久しぶりに入ったけど、変わり映えしないねぇ、この部屋。」
そんな大和に様子に気が付かない風で、七瀬は言うと
「そんなことないだろ?好きだったアイドルのポスタ-やグッズが昔は飾ってあっただろう。」
反論してくる大和。
「さすがにあの子はもう卒業したんだ?」
「当たり前だろ、何年前の話だと思ってるんだよ。」
こんなことを言い合って、雰囲気が少しほぐれたかなと七瀬は思ったが、ふと飾られていた大和と弥生の仲睦まじいツーショット写真が目に入り、思わず表情が曇る。その七瀬の変化の理由に大和も気付き、雰囲気はあっという間に重くなってしまう。
(これじゃ・・・。)
次の瞬間、七瀬は
「出掛けるよ、大和。」
と口にしていた。
「えっ?」
「こんないい天気の週末に、なんで部屋にくすぶってるの?久しぶりに可愛い幼なじみが、こうして訪ねて来てあげたんだから、ドライブくらい付き合ってくれても、バチはあたらないでしょ?」
「でも、七瀬・・・。」
「じゃ、10分後に出発するよ。急いで着替えて。」
有無も言わさずに告げる七瀬の顔を一瞬眺めた大和が
「わかったよ。じゃ、とりあえず着替え中は外へ出ててくれ。」
諦めたように答えると
「えっ、なにを今更恥ずかしがってるの?昔は一緒にお風呂入った仲じゃない?」
尚も揶揄うように言って来る七瀬。
「いい加減にしろ!」
一瞬、顔を見合わせて、ニヤッと笑い合うと
「とにかく下で待ってろ。」
大和が言う。
「は~い。」
軽やかな足取りで出て行く七瀬の後ろ姿を見ながら
(全く、相変わらず強引だな・・・。)
苦笑いを浮かべた後、大和は着換え始める。
(大和・・・。)
この前会った時とは、別人のように憔悴している幼なじみの姿に、七瀬が一瞬息を呑んでいると
「今日はありがとう。」
そう言いながら、立ち上がった大和は弱々しい笑顔を浮かべたが、その笑顔はすぐに消えてしまう。
「久しぶりに入ったけど、変わり映えしないねぇ、この部屋。」
そんな大和に様子に気が付かない風で、七瀬は言うと
「そんなことないだろ?好きだったアイドルのポスタ-やグッズが昔は飾ってあっただろう。」
反論してくる大和。
「さすがにあの子はもう卒業したんだ?」
「当たり前だろ、何年前の話だと思ってるんだよ。」
こんなことを言い合って、雰囲気が少しほぐれたかなと七瀬は思ったが、ふと飾られていた大和と弥生の仲睦まじいツーショット写真が目に入り、思わず表情が曇る。その七瀬の変化の理由に大和も気付き、雰囲気はあっという間に重くなってしまう。
(これじゃ・・・。)
次の瞬間、七瀬は
「出掛けるよ、大和。」
と口にしていた。
「えっ?」
「こんないい天気の週末に、なんで部屋にくすぶってるの?久しぶりに可愛い幼なじみが、こうして訪ねて来てあげたんだから、ドライブくらい付き合ってくれても、バチはあたらないでしょ?」
「でも、七瀬・・・。」
「じゃ、10分後に出発するよ。急いで着替えて。」
有無も言わさずに告げる七瀬の顔を一瞬眺めた大和が
「わかったよ。じゃ、とりあえず着替え中は外へ出ててくれ。」
諦めたように答えると
「えっ、なにを今更恥ずかしがってるの?昔は一緒にお風呂入った仲じゃない?」
尚も揶揄うように言って来る七瀬。
「いい加減にしろ!」
一瞬、顔を見合わせて、ニヤッと笑い合うと
「とにかく下で待ってろ。」
大和が言う。
「は~い。」
軽やかな足取りで出て行く七瀬の後ろ姿を見ながら
(全く、相変わらず強引だな・・・。)
苦笑いを浮かべた後、大和は着換え始める。