Restart~あなたが好きだから~
そして10分後、七瀬の運転で2人は出発。
「考えてみれば、2人でドライブって初めてだよね。」
と七瀬。2人がよく一緒に出掛けていた頃は、まだ運転免許を持てる年齢ではなかった。
「というか、こうやって2人で出掛けるの、いつ以来だって話だよな。」
答えた大和は
「それはともかく七瀬、お前運転大丈夫なんだろうな?」
と不安を見せる。
「あのね、私の職業知らないの?営業マンに運転は付きものでしょ。」
「でも営業マン、クビになったんだろ?」
「失礼ね。これでも成績はずっとトップだったんだよ。クビになったんじゃなくて、新たな道に進むことになったの。間違えないで欲しいな。」
「そりゃ失礼しました。」
「だいたい、落ち込んでて、心ここにあらずみたいな人の運転の助手席なんて、とてもおっかなくて乗れません。」
「お前・・・俺を慰める為に誘ってくれたんじゃないのか?人の心を抉るようなことを平気で言いやがって・・・・。」
「甘えるな。」
「最低だな、お前。」
「今頃気付いた?」
「そうだった。最近、あんまり会ってなくて忘れてた。」
そんなことを言い合ってるうちに、2人の間の空気はだいぶ柔らかくなって来た。
「ところで、どこ行くんだ?」
「行きたいとこ、ある?」
「えっ、ノープランで走り出したのかよ?」
「いいじゃん、どうせ明日も休みなんだから、足の向くまま、気の向くまま。とりあえず久しぶりの2人の時間を楽しみましょ。」
そう言って、笑顔をチラリと向けて来た七瀬に
「かしこまり~って、七瀬、運転中は前向け。」
「はいはい。」
こうして始まった幼なじみたちのドライブデ-ト。たわいない話をしながら、途中、レストランで食事を摂り、更に車を走らせた2人は、やがてある海岸に辿り着いた。
「降りようか。」
駐車場に車を停め、大和に声を掛けると
「七瀬。」
「うん?」
「最初っから、ここを目指してたのか?」
「ううん。漠然と海を目指してたんだけど、途中から、あっ、ここ懐かしいなって思って。」
と言いながら、大和を振り向いた七瀬は、彼が表情を固くしているのに気が付いて、ハッとする。
「どうか、した?」
不安な表情になって尋ねる七瀬に
「いや、降りようか。」
首を振って、大和はドアを開けた。
「考えてみれば、2人でドライブって初めてだよね。」
と七瀬。2人がよく一緒に出掛けていた頃は、まだ運転免許を持てる年齢ではなかった。
「というか、こうやって2人で出掛けるの、いつ以来だって話だよな。」
答えた大和は
「それはともかく七瀬、お前運転大丈夫なんだろうな?」
と不安を見せる。
「あのね、私の職業知らないの?営業マンに運転は付きものでしょ。」
「でも営業マン、クビになったんだろ?」
「失礼ね。これでも成績はずっとトップだったんだよ。クビになったんじゃなくて、新たな道に進むことになったの。間違えないで欲しいな。」
「そりゃ失礼しました。」
「だいたい、落ち込んでて、心ここにあらずみたいな人の運転の助手席なんて、とてもおっかなくて乗れません。」
「お前・・・俺を慰める為に誘ってくれたんじゃないのか?人の心を抉るようなことを平気で言いやがって・・・・。」
「甘えるな。」
「最低だな、お前。」
「今頃気付いた?」
「そうだった。最近、あんまり会ってなくて忘れてた。」
そんなことを言い合ってるうちに、2人の間の空気はだいぶ柔らかくなって来た。
「ところで、どこ行くんだ?」
「行きたいとこ、ある?」
「えっ、ノープランで走り出したのかよ?」
「いいじゃん、どうせ明日も休みなんだから、足の向くまま、気の向くまま。とりあえず久しぶりの2人の時間を楽しみましょ。」
そう言って、笑顔をチラリと向けて来た七瀬に
「かしこまり~って、七瀬、運転中は前向け。」
「はいはい。」
こうして始まった幼なじみたちのドライブデ-ト。たわいない話をしながら、途中、レストランで食事を摂り、更に車を走らせた2人は、やがてある海岸に辿り着いた。
「降りようか。」
駐車場に車を停め、大和に声を掛けると
「七瀬。」
「うん?」
「最初っから、ここを目指してたのか?」
「ううん。漠然と海を目指してたんだけど、途中から、あっ、ここ懐かしいなって思って。」
と言いながら、大和を振り向いた七瀬は、彼が表情を固くしているのに気が付いて、ハッとする。
「どうか、した?」
不安な表情になって尋ねる七瀬に
「いや、降りようか。」
首を振って、大和はドアを開けた。