Restart~あなたが好きだから~
こうして、七瀬は今、専務が運転する車の助手席に納まっている。全く予期してなかったシチュエ-ションに、緊張が隠せない七瀬に
「あのおばさん、なんか勘違いしたみたいだな。」
ハンドルを握る氷室が苦笑いを浮かべながら言い出した。
「確かに俺は今、お前を食事に誘ってるんだが、別に口説こうとかデートとか、そんなつもりじゃないからな。」
「専務・・・。」
「たぶん今日1日、お前は戸惑いっ放しだったはずだ。このままじゃ、明日からも七瀬が困るだろうからちゃんと話をしたかったんだ。もし期待させたなら、ごめんな。」
少しからかうように言う専務に
「そ、そんな期待なんてしてません!」
思わず強い口調で答える七瀬。
「なんだ、期待してくれなかったのか。それはそれで結構ショックだな。」
「なっ・・・。」
「まぁ、仕方ない。七瀬は恋愛に興味がないんだろ?」
「えっ、それは・・・。」
「お前を俺の秘書にしたのは、それも理由の1つだからな。」
「専務・・・。」
「詳しい話は、着いてからにしよう。」
取り敢えず、そう言って話を収めた専務の横顔を、七瀬は思わず見つめてしまっていた。
会社を出てから40分程。2人が降り立ったのは、郊外に立つ小洒落た雰囲気の・・・焼肉屋だった。
「焼肉、ですか?」
戸惑ったような声を出す七瀬に
「嫌いか?俺のリサ-チによると、20代の女性が行きたい外食ナンバ-1が焼肉なんだが。」
と氷室。
「いえ、正直大好きです。でも・・・。」
「ただしデート、特にファーストデートで行きたい外食になると、一気にランクが下がるそうだ。やっぱり匂いが付いたりするのが嫌なんだろうな。だから、いいだろう。これはデートじゃないってことで。」
七瀬の気持ちはお見通しだと言わんばかりに氷室が続ける。
「今日は疲れて腹減っただろう。だから遠慮しないで、まずはガッツリ食って、腹ごしらえをしろ。話はそのあとだ。さ、行くぞ。」
そう言って、氷室はスタスタと歩き出す。そんな彼の様子がなんとも可笑しくて、思わず笑みがこぼれてしまった七瀬は、すぐに後に続いて歩き出した。
「あのおばさん、なんか勘違いしたみたいだな。」
ハンドルを握る氷室が苦笑いを浮かべながら言い出した。
「確かに俺は今、お前を食事に誘ってるんだが、別に口説こうとかデートとか、そんなつもりじゃないからな。」
「専務・・・。」
「たぶん今日1日、お前は戸惑いっ放しだったはずだ。このままじゃ、明日からも七瀬が困るだろうからちゃんと話をしたかったんだ。もし期待させたなら、ごめんな。」
少しからかうように言う専務に
「そ、そんな期待なんてしてません!」
思わず強い口調で答える七瀬。
「なんだ、期待してくれなかったのか。それはそれで結構ショックだな。」
「なっ・・・。」
「まぁ、仕方ない。七瀬は恋愛に興味がないんだろ?」
「えっ、それは・・・。」
「お前を俺の秘書にしたのは、それも理由の1つだからな。」
「専務・・・。」
「詳しい話は、着いてからにしよう。」
取り敢えず、そう言って話を収めた専務の横顔を、七瀬は思わず見つめてしまっていた。
会社を出てから40分程。2人が降り立ったのは、郊外に立つ小洒落た雰囲気の・・・焼肉屋だった。
「焼肉、ですか?」
戸惑ったような声を出す七瀬に
「嫌いか?俺のリサ-チによると、20代の女性が行きたい外食ナンバ-1が焼肉なんだが。」
と氷室。
「いえ、正直大好きです。でも・・・。」
「ただしデート、特にファーストデートで行きたい外食になると、一気にランクが下がるそうだ。やっぱり匂いが付いたりするのが嫌なんだろうな。だから、いいだろう。これはデートじゃないってことで。」
七瀬の気持ちはお見通しだと言わんばかりに氷室が続ける。
「今日は疲れて腹減っただろう。だから遠慮しないで、まずはガッツリ食って、腹ごしらえをしろ。話はそのあとだ。さ、行くぞ。」
そう言って、氷室はスタスタと歩き出す。そんな彼の様子がなんとも可笑しくて、思わず笑みがこぼれてしまった七瀬は、すぐに後に続いて歩き出した。