成瀬課長はヒミツにしたい
昔の約束
お腹がいっぱいになった乃菜は、一人リビングでテレビを見ながら絵を描いている。
「それにしても、ビックリしました。乃菜ちゃんのパパが社長だったなんて……。社長は、何でずっと乃菜ちゃんの事を、隠してたんですか?」
首を傾げる真理子に、成瀬は少し考える様子を見せてから口を開いた。
「明彦も、相当悩んだと思う。専務も言ってただろ? 勘当同然で出て行ったって」
「はい……」
「乃菜が生まれたことは、父親である先代にも言ってなかったんだ」
「え?! じゃあ、先代は知らないまま……?」
「そうだな……」
真理子はあまりに悲しい話に、眉を下げる。
――たとえ勘当同然だったとしても、孫の存在を知らずに亡くなるなんて。
言わなかった社長と、聞かされなかった先代の、それぞれの想いは計り知れない。
今日の専務の話といい、社長と先代の確執がそこまで大きなものだったのかと、真理子は改めて知った。
「それにしても、ビックリしました。乃菜ちゃんのパパが社長だったなんて……。社長は、何でずっと乃菜ちゃんの事を、隠してたんですか?」
首を傾げる真理子に、成瀬は少し考える様子を見せてから口を開いた。
「明彦も、相当悩んだと思う。専務も言ってただろ? 勘当同然で出て行ったって」
「はい……」
「乃菜が生まれたことは、父親である先代にも言ってなかったんだ」
「え?! じゃあ、先代は知らないまま……?」
「そうだな……」
真理子はあまりに悲しい話に、眉を下げる。
――たとえ勘当同然だったとしても、孫の存在を知らずに亡くなるなんて。
言わなかった社長と、聞かされなかった先代の、それぞれの想いは計り知れない。
今日の専務の話といい、社長と先代の確執がそこまで大きなものだったのかと、真理子は改めて知った。