成瀬課長はヒミツにしたい
とんでもない提案
外の蒸し暑さが嘘のように涼しい室内は、どことなく爽やかな、いい香りがしている。
きちんと整頓されたダイニングテーブルの椅子に腰を掛け、真理子はぽかんと口を開けて辺りを見回していた。
白を基調としたセンスの良さがうかがえる部屋は、高層マンションの上層階に位置している。
広いリビングには、十人は座れそうな大きなソファがコの字型に置いてあり、壁一面に広がる窓からは、ネオンに光り輝く街並みが見下ろせた。
定時後、心臓が飛び出そうなほど緊張して待っていた真理子に、成瀬は「時間ですから」とだけ告げると、すたすたと先を歩きだした。
そして連れてこられた先が、ここである。
真理子はもう一度、部屋の中をぐるりと見回す。
――うちの人事課長って、どんだけ高給取りなのよ?!
きちんと整頓されたダイニングテーブルの椅子に腰を掛け、真理子はぽかんと口を開けて辺りを見回していた。
白を基調としたセンスの良さがうかがえる部屋は、高層マンションの上層階に位置している。
広いリビングには、十人は座れそうな大きなソファがコの字型に置いてあり、壁一面に広がる窓からは、ネオンに光り輝く街並みが見下ろせた。
定時後、心臓が飛び出そうなほど緊張して待っていた真理子に、成瀬は「時間ですから」とだけ告げると、すたすたと先を歩きだした。
そして連れてこられた先が、ここである。
真理子はもう一度、部屋の中をぐるりと見回す。
――うちの人事課長って、どんだけ高給取りなのよ?!