成瀬課長はヒミツにしたい
「はい。弊社の顧客情報が外部に漏洩した、という事実はありませんでした。その点においては、顧客の皆様には安心していただきたいと思います。ただ……」
社長は一旦言葉を切ると、会場の一番後ろでたじろぐ専務と橋本を鋭く見据える。
「大変残念なことに、弊社において、情報漏洩騒ぎを起こそうとした人物がいたことは事実です。こちらに関しては、しかるべき監督省庁へ報告を行ったのち、厳正に対処させて頂きます」
社長の語尾に力がこもる。
「つまり、事件を未然に防いだという事ですね?」
「はい」
力強くうなずく社長の姿を前に、専務はその場で立ち尽くしていた。
すると会場内の一人が社長の目線に気がつき、ばっと後ろを振り向く。
「もしかして、あいつらか?」
その声に、一斉に他の人々も振り返った。
会場内の人々から視線を投げかけられ、専務と橋本は思わず壁際に後ずさる。
「とりあえず撮っとけ!」
誰かが叫び、一斉にシャッター音が鳴り響いた。
社長は一旦言葉を切ると、会場の一番後ろでたじろぐ専務と橋本を鋭く見据える。
「大変残念なことに、弊社において、情報漏洩騒ぎを起こそうとした人物がいたことは事実です。こちらに関しては、しかるべき監督省庁へ報告を行ったのち、厳正に対処させて頂きます」
社長の語尾に力がこもる。
「つまり、事件を未然に防いだという事ですね?」
「はい」
力強くうなずく社長の姿を前に、専務はその場で立ち尽くしていた。
すると会場内の一人が社長の目線に気がつき、ばっと後ろを振り向く。
「もしかして、あいつらか?」
その声に、一斉に他の人々も振り返った。
会場内の人々から視線を投げかけられ、専務と橋本は思わず壁際に後ずさる。
「とりあえず撮っとけ!」
誰かが叫び、一斉にシャッター音が鳴り響いた。