成瀬課長はヒミツにしたい
会見のあとで
コンコンと控室の扉をノックする音が聞こえ、真理子は慌てて立ち上がった。
「社長!」
会見が終わり、うつむきながら入って来た社長の姿に、真理子は慌てて側に駆け寄る。
「……大丈夫ですか?」
心配そうに覗き込む真理子を見つめると、社長はそのまま真理子をぎゅっと抱きしめた。
「え……」
真理子は突然のことに驚いて呆然とする。
「あ、あの……社長……」
たどたどしく声を出しながら、真理子ははっとした。
真理子を抱きしめる社長の身体は、小刻みに震えている。
「……怖かった」
しばらくして社長は、声を押し殺すように小さくつぶやいた。
「全部、失うんじゃないかって……本当は、ずっと怖かったんだ……」
いつも明るくはつらつとしている社長からは、思いもつかない程、弱々しく苦しい声。
――あぁ、そうか。社長は不安も口にできず、ずっと一人で抱えてたんだ……。
「社長!」
会見が終わり、うつむきながら入って来た社長の姿に、真理子は慌てて側に駆け寄る。
「……大丈夫ですか?」
心配そうに覗き込む真理子を見つめると、社長はそのまま真理子をぎゅっと抱きしめた。
「え……」
真理子は突然のことに驚いて呆然とする。
「あ、あの……社長……」
たどたどしく声を出しながら、真理子ははっとした。
真理子を抱きしめる社長の身体は、小刻みに震えている。
「……怖かった」
しばらくして社長は、声を押し殺すように小さくつぶやいた。
「全部、失うんじゃないかって……本当は、ずっと怖かったんだ……」
いつも明るくはつらつとしている社長からは、思いもつかない程、弱々しく苦しい声。
――あぁ、そうか。社長は不安も口にできず、ずっと一人で抱えてたんだ……。