成瀬課長はヒミツにしたい
「あれね。俺が生まれた時、記念にって父親が作ったものなんだって」
「え? 先代が?」
真理子は驚いて小さく声をあげた。
「父親がさ、何か形になるものを残したいって、そう願って作ったものだって。俺が最初に会社に入った頃かな? 常務に教えてもらったんだ」
社長は静かに夜空を見上げている。
真理子は、そんな社長の横顔をじっと見つめた。
「当然、俺はそんなの何とも思ってなかったし、忘れてたんだけどね。乃菜があの王冠をつけて、はしゃいでいる姿を見た時ドキッとしたよ。真理子ちゃんが思い出させてくれた……。自分が親になって、初めてわかる事ってあるんだね」
社長はそう言うと、真理子にまっすぐ向き直る。
「乃菜と俺の気持ちは同じだった。あのプレゼントの絵に、描かれたみたいにね……」
社長はウインクしながらそう言うと、ふと真理子の後ろに目を向ける。
「さぁ。王子様のお出ましだ」
社長の声に後ろを振り向いた真理子は、はっと息を止めた。
「え? 先代が?」
真理子は驚いて小さく声をあげた。
「父親がさ、何か形になるものを残したいって、そう願って作ったものだって。俺が最初に会社に入った頃かな? 常務に教えてもらったんだ」
社長は静かに夜空を見上げている。
真理子は、そんな社長の横顔をじっと見つめた。
「当然、俺はそんなの何とも思ってなかったし、忘れてたんだけどね。乃菜があの王冠をつけて、はしゃいでいる姿を見た時ドキッとしたよ。真理子ちゃんが思い出させてくれた……。自分が親になって、初めてわかる事ってあるんだね」
社長はそう言うと、真理子にまっすぐ向き直る。
「乃菜と俺の気持ちは同じだった。あのプレゼントの絵に、描かれたみたいにね……」
社長はウインクしながらそう言うと、ふと真理子の後ろに目を向ける。
「さぁ。王子様のお出ましだ」
社長の声に後ろを振り向いた真理子は、はっと息を止めた。