成瀬課長はヒミツにしたい
社長が電飾玩具事業から撤退する意向であるという話は、あっという間に社内で広がった。
社員の中でも意見は割れ、賛成派と反対派という呼び名まで出ていた。
「なーんか最近、社内の雰囲気が悪いよね」
真理子がパソコンを見つめていると、小宮山が独り言のようにつぶやいた。
真理子は返事をするでもなく、小さくため息をつく。
すると隣の社長室から、数人の明るい話声が漏れ聞こえてきた。
「あいつら、また来てるのか……」
「あいつら?」
真理子は首を傾げながら、眉間に皺を寄せる小宮山を振り向いた。
「営業部とか商品開発部の若い連中だよ。社長が“若い社員との意見交換会”ってのを開いて以降、時々社長室に出入りしてるんだよね」
「そう言えば、最近よく見ますね。でも、若い社員が社長と直接話せるなんて、良い事なんじゃないですか?」
小宮山は真理子に渋い顔を見せると、大きく首を振る。
社員の中でも意見は割れ、賛成派と反対派という呼び名まで出ていた。
「なーんか最近、社内の雰囲気が悪いよね」
真理子がパソコンを見つめていると、小宮山が独り言のようにつぶやいた。
真理子は返事をするでもなく、小さくため息をつく。
すると隣の社長室から、数人の明るい話声が漏れ聞こえてきた。
「あいつら、また来てるのか……」
「あいつら?」
真理子は首を傾げながら、眉間に皺を寄せる小宮山を振り向いた。
「営業部とか商品開発部の若い連中だよ。社長が“若い社員との意見交換会”ってのを開いて以降、時々社長室に出入りしてるんだよね」
「そう言えば、最近よく見ますね。でも、若い社員が社長と直接話せるなんて、良い事なんじゃないですか?」
小宮山は真理子に渋い顔を見せると、大きく首を振る。