成瀬課長はヒミツにしたい
「包んでくれる?! 今どきいないでしょ、そんな人」
卓也の素っ頓狂な声に、即座に現実に引き戻された。
「なによ! 悪い?! ちなみに、もう一つ条件を付けるとしたら“大人の男性”だから。間違っても学生上がりの、チャラチャラしたお子ちゃまじゃないから!」
真理子は人差し指を、卓也の鼻先に向かって突きつける。
卓也は肩をすくめて、これ見よがしに、大きくため息をついた。
「おぉ、怖。真理子さん、プログラム画面の見過ぎでお疲れなんですねぇ。真理子さんに必要なのは包んでくれる男性じゃなくて、ブルーライトカットのメガネですね。今度、俺が誕生日にプレゼントしてあげます」
「はぁ?! いらないっつーの!」
真理子はぷりぷり頬を膨らませながら、エレベーターのランプを見上げた。
気がつけば、恋愛から遠ざかってもう数年。
せっかく合コンに誘ってもらっても、結局はお世話役になるのみで、出会いは一向にやって来ない。
焦る気持ちとは対照に、年々恋愛は不器用になる一方だ。
卓也の素っ頓狂な声に、即座に現実に引き戻された。
「なによ! 悪い?! ちなみに、もう一つ条件を付けるとしたら“大人の男性”だから。間違っても学生上がりの、チャラチャラしたお子ちゃまじゃないから!」
真理子は人差し指を、卓也の鼻先に向かって突きつける。
卓也は肩をすくめて、これ見よがしに、大きくため息をついた。
「おぉ、怖。真理子さん、プログラム画面の見過ぎでお疲れなんですねぇ。真理子さんに必要なのは包んでくれる男性じゃなくて、ブルーライトカットのメガネですね。今度、俺が誕生日にプレゼントしてあげます」
「はぁ?! いらないっつーの!」
真理子はぷりぷり頬を膨らませながら、エレベーターのランプを見上げた。
気がつけば、恋愛から遠ざかってもう数年。
せっかく合コンに誘ってもらっても、結局はお世話役になるのみで、出会いは一向にやって来ない。
焦る気持ちとは対照に、年々恋愛は不器用になる一方だ。