成瀬課長はヒミツにしたい
 大会議室には、オンラインショップに関わるチームメンバーが一斉に集まっていた。

 今日は社長への、最終確認を行う日だ。

 ここで社長のオッケーが出れば、すぐにサイトはオープンとなる。


 ガチャリと扉の開く音が聞こえ、ざわついていた室内は一気に静まり返った。

「皆さん、お待たせしました」

 社長は爽やかな笑顔を見せながら颯爽と現れると、一番正面の席につく。

「では早速、初めてください」

 隣に座る成瀬から、資料を受け取りながら柔らかい声を出した。


 オンラインショップがオープンした後は、通販事業部がサイトの運営に携わることになる。

 説明はその担当者が行った。

 真理子は後ろの方の席に座り、卓也と共に映し出されるスライドに目を向ける。

 社長は説明の合間も、時折成瀬に話しかけ細かい説明を受けているようだった。


 ――やっぱり、親しそうだな。


 真理子は、自然に会話する二人の様子をぼんやりと眺めていた。
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