成瀬課長はヒミツにしたい
 しばらくして、社長は立ち上がると、ぐるりとみんなを見回した。

「今、サワイライトは、新たな転換期を迎えています。イルミネーションライトの企業として、全国的にその名を(とどろ)かせたい、これが僕の夢です」

 社長の言葉に力がこもる。


「この自社サイトは、その第一歩だと思っています。オープン後には、大々的にWEB広告を出し、この秋冬のイルミネーション商材として宣伝をかけていきます。今後も社員一丸となって、取り組んでいきましょう」

 社長の力強い言葉に、会議室内は大きな拍手に包まれた。


「社長の言葉って初めて聞きましたけど、なんかすごい人ですね」

 卓也が真理子の耳元でささやく。

 真理子は、社長の顔を見つめたまま、深く頷いた。


 ――ものすごくカリスマ性のある人。


 噂では、前社長が亡くなって、急に息子が会社を継いだという事だったが、さすが会社を立て直した人物だけのことはある。
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