チョコより甘く。
エピローグ 彼の結論
■エピローグ 彼の結論

 はぁ、しんど。

 今更だけど心臓バクバクいってるわ。


 ラッピングされたチョコの山の横に、一つだけ開けられて空になった箱がある。


 食べたのは俺じゃない。

 ……いや、ちょっとは食ったかな?

 そのときのことを思い出すと、なんか色々とこみ上げてくる。

 心臓の音がバクバク鳴って、マジしんどい。


 夢じゃないんだよな?

 本当に、俺はあいつと……。


「うわー!」


 詳細に思い出してしまってどうしていいか分からなくなる。

 最後はカッコつけたけど、内心嫌がられたら死ぬ!って気分だった。

 でも、あいつは嫌がるどころかひたすら可愛くなる一方で……。


「可愛くて、ホントしんど……」


 俺は、明日からもあいつの前でカッコつけていられるのかな?

 カッコつけたいけど、無理なら仕方ないかとも思う。

 あいつはきっと、どんな俺でもいいって言ってくれると思うし。

 それに……。


「やっと……あいつの隣にいる権利、もらえたからな」


 だからいいか、と俺はあいつの恥じらいの笑みを思い出しながら笑った。
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